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ベランダの柵に現れたのは
『啓悟くん…ッ!!』
私は思わず抱きしめる。
「おっと危ない」
啓悟くんは驚いてよろけて体勢を崩しそうになる。
『会いたかったよぉ〜』
思わず本音が出る。
と
「あはは、俺もですよ
電話出れなくてごめんなさい…」
そう、啓悟くんは言って頭を撫でてくれた。
『いいよ…』
私たちはしばらく抱きしめ合ってた。
一緒にベランダに降りる。
『あのね…啓悟くん』
そして私は、
『啓悟くん!誕生日おめでとう!!!』
そう言って私が渡したのは
啓悟くんの綺麗な羽のように真っ赤な薔薇の花束。
『男の人だから…花束はどうかと思ったんだけど…このお花を見たら啓悟くんを思い出したんだ…へへ』
そう、言って啓悟くんを見ると。
とてもびっくりしていて…
「こんな綺麗な花…初めて見ました」
目がキラキラ輝いているように見えた。
「こんなッ…お花って綺麗なんですね!!」
『そっそんな大袈裟な』
喜んでくれたのかな、、?
「俺ッ…お花こんなに近くで見るの初めてでッ…それに…」
啓悟くんは私の方を見る。
そして
「美樹さん…ッ!!」
私をギュッと抱きしめた。
「嬉しいです!俺ッこんな嬉しいプレゼント初めてです」
泣いてるのか少し声が震えてる。
『大袈裟だよ』
と私が笑うと
「全然!大袈裟なんかじゃありませんッ!
嬉しいです…ほんとに…美樹さんからこんな
プレゼントもらうなんて…」
と抱きしめる力が強まる。
『んーん、大袈裟だってば
当たり前じゃん』
そう、私が言うと啓悟くんが私を離して
私の方をじっと見る。
「当たり前、なんですか?」
自分の価値を確認するように。
『うん、当たり前だよ』
あなたは親の愛情を受けずに生きてきたのかもしれない。
「こんなの…ほんと…初めてです…ッ」
けれど
『啓悟くん、産まれてきてくれてありがとう』
私があなたに愛情を注ぐから。
この先ずっと____
『愛してるよ、啓悟くん』