コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「よくやった。」
ベンチに戻ると、監督が俺を褒めてくれた。
「ありがとうございます。」
「おいおい!もっと喜べよ!監督が褒めてくれるなんてめったにないんだぞ!」
純さんが俺の肩を抱きながら言う。
「ナイスプレーだった。」
クリスさんも微笑みながら俺を見ている。
あぁそんな顔で俺を見ないでくれ。
あんなのたいしたプレーじゃない。
俺は俯き、バットとヘルメットを持ちベンチを出た。
「倉持、絶対塁でなね。」
亮さんの声が聞こえたが、俺は聞こえないふりして打席に入った。
「プレイ!」
主審の声がグランドに響く。
ピッチャーは2年生。一試合目。東さんが三振に抑えられたピッチャー。右のサイドスローで右バッターは背中からボールが来るように見えるくらい横の幅を使ってくる。
グッ
バットを握る手に力が入る。
シュッ
そこそこ早い球がアウトコースに入る。
「ストライクッ!」
審判の声がグランドに響く。
二球目、大きく外れてボール。
三球目、一球目と全く同じコースにボールが来る。
俺は思いきりミートしてレフト前に運んだ。