目的地に着くと真澄隊長が先にいた。
馨「 相 変 わ ら ず 時 間 通 り で す ね。」
真澄「 馨 も な 」
馨「 お 褒 め 頂 き 光 栄 で す。 」
にこりと笑いお辞儀をする。
真澄「 …雑 談 は そ れ ぐ ら い に し ろ。 」
どう返していいか困ったのかふぃっと顔を背けた。
馨「 ふ ふ、分 か り ま し た 」
そんなとこも可愛くてにこにこと笑顔になってしまう。
真澄「 笑 う ん じ ゃ ね ぇ 」
馨「 す み ま せ ん。 」
そう謝ってはいるがまだ笑顔は耐えない。
スン…
あれ。
馨「 … 何 か 付 け て ま す ? 」
僕と歩いていると歩調が合わないのか、段々後ろになっていくのが不満で、僕より先に歩くようになってしまった真澄隊長。そんな事しなくたって歩幅合わせるんだけどなぁ…。そう考えている最中、今日も前に歩いていていく真澄隊長からふと香ってきてた匂いが気になってそう聞いてしまった。
真澄「 あ ぁ ? 」
突然何言ってんだ、と顔を顰め此方を振り向いた。
馨「 い や、さ っ き 前 に 行 っ た 時 い つ も と 違 う 匂 い が …。 」
と聞いた途端にビシッと一瞬固るとこを見て、さっきの部隊達の話を思い出した。
『 最近真澄隊長お洒落しだしたよなぁ…、彼女出来たとか? 』
馨「 … 。 」
彼女が出来きてたとして、匂いが変わるってそういう事なのか…。とかまだいると決まったわけじゃないのにそんな事を考えてしまう。聞いた所で辛くなるだけでは。とか今更後悔した。
緊張したまま、歩きを再開した真澄隊長から発した言葉を黙って聞くしかなかった。
真澄「 …何 の 匂 い か 分 か っ た り す ん の か ? 」
馨「 へ、 ? 」
驚いた、疑問を疑問で返されるとは思ってはいなく。 覚悟したのに思ってもいない返しで拍子抜けしてしまった。
冷静になって聞かれた事に答えようと鼻を澄まして考える。別に香水とか詳しい方ではないので、細かい種類は分からないがこれは王道な匂いだったので助かった。
馨「 ロ ー ズ…、薔 薇 の 匂 い で す か 。 」
真澄「 へ ぇ、 。 」
流石匂いも鋭いこって。と茶化された。
馨「 い い 匂 い で す し、 」
真澄「 …そ う か よ、 」
良かったな。そういうとまた歩きを再開した。
がある一言が引っかかった。
馨「 良 か っ た、…っ て ? 」
真澄「 …い や 何 で も ね ぇ。 」
馨「 そ う で す か 。 」
何でもない。その返しが1番気になるんだけどな。
でもしつこく聞く事でもないし、素直に引き下がる事にした。
それから仕事も無事終わり今日1日の会話はそれで終わってしまった。
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