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「じゃあね〜」
事が終わるとマオは爽やかに帰っていく。
他の女(こ)だと、泊まってとかどこかに行こうとか、終わった後が面倒臭い。
マオは疲れすぎると性欲が増して眠れなくなると言っていて、俺も気軽にヤれてお互いが都合がよかった。
家に帰ると、母がリビングに居た。
「こんな遅くまでどこに行っていたの、大学に入ったからって遊んでばかりいないで」
「遊ぶのも勉強ですよ」
母が父方のことを使用人と呼んでいたことを知ったあの日から一線を引いた。
「誰が学費を払ってると思ってるの」
くだらない
「甲斐の家のおかけですね。父に感謝してます」
そう言って自分の部屋に戻った。
多分、父はまだ帰っていないんだろう。
疲れた表情の父の顔を思い出す。
じいちゃんに話をしてこっそり支店でアルバイトしてみよう、何か少しでも社内のことがわかるかもしれない。
翌日、講義室を見渡すと彼女が二列目の窓際に座っていた。
あからさまと思われそうだが、気になるのだから仕方がない。
「隣いい?」
振り向いて一瞬目を見開きながらもすぐに「どうぞ」と言ってくれた。
「今日は友達は?」
「里子?この講義は取ってないけど?用があった?」
「いや、君と話をしたかったから」
かなり怪しんでいる表情をしている。
今まで、こんな風に扱われたことがなかったから焦ってしまうというか、この間から何かと話をかけているから怪しまれても仕方がない。
「ごめん、言い方が悪かった。タブレットでノートを取っていることに興味があって、前回教えてもらったアプリを入れて見たんだ。今までのはとりあえず写真を撮って取り込んだんだけど」
警戒をといたのか笑顔になった。
「それで前にジッと見てたのね、観察されているみたいで気持ち悪いと思ってたんだけど納得です」
気持ち悪いって「はっきり言うんだね」
肩をすくめて笑う姿が可愛いと思った。
「使い方の例をネットで調べて見たんだけど、よかったら君のやり方を見せてもらってもいい?」
「私のでよければ」
そう言って、見せてくれたnoteアプリは画像を使いながら綺麗にまとめられ見やすかった。
「ありがとう、上手くまとめているね。参考にさせてもらうよ」
もう少し話をしたかったが、教授が壇上に現れて話は終わった。
講義の後、お昼を誘おうとした時に背後から声をかけられて振り返ると一度寝た事がある人でそれから講義が重なると何かと話をかけてくる子だ名前もよく覚えていない。
適当にいなそうとしたらその隙に瞳さんは講義室を出てしまった。
つくづくタイミングが悪いというか、これが自業自得というやつかもしれない。
また次にでも誘おう
帰宅する前に祖父の家に向かった。
大学生にもなったのに、目の前には様々なお菓子が並んでいる。
その目の前には祖父が穏やかな笑顔で座っていて、祖母はまだ何かを出そうと棚の中を漁っていた。
「甲斐商事でアルバイト?」
「社会経験にもなるし、なにより親父が大変そうで何が起こっているのか知りたい。アルバイトではわからないかもしれないが、何もしないよりはいいと思って」
「特に会社が何かの危機にあるとかは無いんだが、呉服店以外は問題は無いし」
倉片の家を考えると問題があるのは分る気がする。あそこは完全に解体しないとどうにもならないのかもしれない。
「親父の言葉も気になるし。出来れば親父に知られずにアルバイトをすることができれば」
「それなら」