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甲斐商事の本社ビルは横浜にあり、基本的に父はそこにいる。
それで、祖父が紹介してくれたのは世田谷にある甲斐商事がやっている人材派遣の会社だ。
元は甲斐商事内への派遣が主だったが8割規制を受けて今では割合は減ったが甲斐商事内への派遣が多く、ある意味情報を得られやすいかもしれない。
人事部長だけは俺が社長の息子だと伝えてあるが、社長にも社員にも俺が社長の息子だとうことは伏せた。
講義室に向う途中で声を掛けられる。
「甲斐くん、もしかしてわたしのこと飽きた?」
何を言ってるだろう?
「飽きるとか飽きないとか言っている意味がわからないけど」
彼女は何かを期待するような表情になる。
「だって、最近誘っても相手してくれないし」
「お互いしたいと思えばする、そう言う関係だろ?もう俺は君とはしたいと思わないしセックスしたいなら他の男を探せばいい」
「ひどい、誰でもいいなんて思ってない。甲斐くんだからだよ」
「俺は誰でもよかったし、はっきり言っただろ付き合うつもりもないしそれでいいなら寝るって、ずっと断っているんだから察してほしかった」
彼女はボロボロと涙を流しているがここで優しくしても堂々巡りになるだけ、背を向けると講義室に向かった。
彼女は奥山瞳さんと言うらしい。
履修している講義が結構被っていて、講義室で会えば挨拶をしたり話をするようになった。
タブレットのNICE noteに関しても色々と使い方の例を見せてもらったりと奥山さんと話をするのは楽しい。
ただ、奥山さんの友人である鈴木里子が同じ講義の時は俺は黙って後ろの席に着くのがいつものパターンとなった。
今日は鈴木さんがいない日だ。
「お昼、食べに行かない?」
奥山さんは最初の頃のように警戒することがなくなって時々構内のカフェや近くのファミレスにいくようになった。
奥山さんの友人とも仲良くなったが鈴木里子は俺に対して警戒心があるようだが奥山さんの前では普通に接してくれる。
バイトをしながら社内の噂を集めたりしているうちに忙しくなりマオ以外の女性達を清算をした。
会社での情報収集はスタッフは各部署に配属されていて社内の雰囲気などはそれとなく聞くことができた。
会社が何か問題を抱えているようには思えなかった、重要なことがあれば会長であるじいさんにも報告があるはずで、親父が帰宅もままならないほどの問題があるように思えなかった。