テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
440
#sxxn
麗華

1,211
243
side:🩷
浅い眠りから叩き起すように絶叫が地を伝って響いてくる
❤️「──────!」
💚「────!!────!!」
🩷「……!?」
廊下の奥すちさんの部屋からなっちゃんの声がする
ちらりと見た隣のベッドに眠る2人は、未だ夢の中にいた
なつが危ないかもしれない
嫌な汗が背筋を伝い、扁桃体の衝動のままに跳ね起きる
バンッ!
入ると、室内では暗闇の中で誰かが蠢いていた
廊下から溢れた光が中を照らすと、背筋が凍るような状況が映し出された
❤️「それ離せッ…!やめろ!!」
💚「はぁ゛ッ…!はぁ゛ッ……!」
半狂乱で暴れ回る影
その手には、月光を反射して鋭く光る刃物が握られていた
なつが彼の両手を掴み、必死で取り押さえている
そして何より信じ難いことは、なつが血塗れなのである
🩷「っ!!!」
俺は咄嗟に身を乗り出し、その手首を強く掴んでカッターを強引に奪い取った
🩷「なっちゃん!離れて!!」
なつを力任せに引き寄せ、背後に庇う
過呼吸を起こし、パニックに陥っているすちさんはあまりにも危険だった
即座に十分な間合いを取り安全を確保する
🩷「大丈夫か!?どこ怪我した!」
❤️「まずい……っ!だめだッ」
しかし、俺の制止を振りのけて再びすちさんの元へ向かおうと暴れ出す
❤️「離せ、らん兄!」
🩷「何言ってんの!?危ないから!」
あまりの愚かさに怒号を飛ばす
すちさんは今何をするか分からない危険な状態
それでは飛んで火に入る夏の虫だ
❤️「だってッ…!すちさんが死んじまう!」
なっちゃんの瞳から大粒の涙がぼろぼろと溢れ落ちる
💚「う゛ぅッ………」
((ぱたっ
藻掻き苦しんでいたすちさんの糸が突然ぷつりと切れた
床へどさりと鈍い音を立てて倒れ込む
電池の切れた機械のように動かなくなった
❤️「ッッ……!!!」
なっちゃんが真っ青な顔で駆け寄る
俺は荒い息を吐きながら、とりあえず部屋の明かりを点けた
眩い蛍光灯の光が部屋を照らし出した瞬間、新たな電流が走る
🩷「え……?」
不自然なほど巻きつけられた大量の包帯
様々な布地の上から分かるほど肉は削げ落ち、痛々しく細り切った体
光の下で露わになったのは、想像もつかない光景だった
いつもこちらを嫌煙し、唾を吐いてきた彼の領域の内側
うちの母親はよく暴力を振るうので何度か痛めつけられた
しかし、そんな比じゃなかった
💛「らん兄?どしたん……?」
廊下から目をこすりながら起きてしまったこさめとみことが顔を出した
まずい、この光景を見せる訳には
そんな危機察知も虚しく、部屋の中を覗き込んでしまった二人は凍りつく
二人の顔から一気に血の気が引いていった
🩵「すち兄!?嘘でしょ、起きて!!」
💛「なんでッ…こんなにボロボロなんっ…?」
震える声で叫ぶと、弾かれたようにすちさんの元へ駆け寄った
彼の身体を抱きしめようとして手が止まる
どこに触れても壊れてしまいそうで、それ以上の手出しができないようだった
俺も二人を追い、傍らへ膝をつく
💛「というか、なつ兄も!大丈夫なん!?」
❤️「これはッ……全部すちさんの血、」
🩷「!?」
二人についている血が全て彼のものなら、かなり危ない状態じゃないか
間近で見る顔色は死人のように蒼白で、隈が酷い
🩷「ねぇ、なっちゃん。なっちゃんは何か知ってたの……?」
彼も混乱の渦中にいるらしく、首を大きく横に振った
❤️「…俺も知らんよッ、けど今日の夜、変な奴に絡まれたとき……助けてくれたんだよっ…!俺らのこと嫌ってたけどさぁ!今までっ絶対何か隠してたんだろ……ッ!!」
繋がらない脈絡、交錯する事実
頭の中は困惑を極めていた
彼がずっと見せていた邪険する態度や、嫌味たらしい性格
それらは、単なる警戒心から来るものだったのかもしれない
俺らがこの家の人は敵だと思っていたように、この人も何か抱えていて俺らを拒絶したのかもしれない
……ははっ
警戒ばかりしていたせいで、彼にも事情があると、慮ることをしなかった
いつからそんな短絡的になってしまっていたんだ
思考が混乱で焼き切れそうになるのを、気力で無理やり押し殺す
呆然としている場合じゃない
今最もやるべきことに焦点を向けなければ
🩷「……手当するよ!こさめは救急箱、みことはタオル、なっちゃんはお湯を!」
兄弟たちへ矢継ぎ早に指示を飛ばした
まずは診察と、彼の状態を見れば心の奥がぐっと重くなった
手首からの出血が酷い
骨のように細い体に張り付く痛々しい傷跡
青や紫色に変色した皮膚が胴を中心に広がっている
🩷「っ……」
🩵「グスッ…らんにぃ!も゛ってきた!」
🩵「……すちに゛ぃ、おきたらいっぱいぎゅーってしようね!」
🩷「そうだね…、ありがとう」
顔に出ちゃってたかな
不安からか心配からか、泣きじゃくった弟に励まされてしまった
いるまにも至急連絡しないと
彼を、すちさんを、助けなくては
一旦すちくんを救わねばと、まだ応急処置な展開ですが進めました
今回もご覧いただきありがとうございました🙇🏻♀️
p.s:下書き多すぎて話数間違えてました💦通知送られていたらすみません。
コメント
6件
ツヅキガキニナル…
らんらんも怖いのに頑張って指示して偉いな
今回も好き好きとまらないお話でした、こういう話大好きです。もうすぐめちゃめちゃ大事な大会があって、その前にこの作品を見れて本当幸せです。生きがいにしてます💞続き待ってます!ありがとうございます😭