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『思い出すための言葉』
tg視点
チャイムの音が消えても、先輩はずっと、俺のことを見ていた。
まるで何かを思い出そうとするみたいに、真剣なまなざしで。
tg ……先輩?
声をかけると、ふいに目が合った。
その瞬間。
空気が、ふっと変わった気がした。
pr ちぐ
tg …はい
pr 俺…やっぱ、忘れてへんかったかもしれん
tg …え?
pr いや、正確には……全部じゃなくて。
思い出そうとしても思い出されへんくて、
でも──さっきの言葉見た瞬間に、胸が痛くなって…
先輩の声が震えていた。
pr 『何回でも恋できる』──これ、俺が本気で書いた気がする
pr ちぐと、ちゃんと向き合ってた時間があって、
それを…すごく大事にしてた気がする
俺の手の中のチェキが、小さく震える。
tg ほんとに、思い出してるんですか……?
pr 今はまだ、バラバラのピースしか見えてへん。
けど、お前のこと見てるうちに──
pr “この感情は、知ってる”って思う瞬間が何回もあって
先輩は、一歩近づいてきた。
もう一歩、俺の心に踏み込むように。
pr …ちぐ。あのとき、俺……ちゃんとお前のこと、好きやったよな?
その問いに、俺はこくりと頷く。
tg うん、それで俺も、先輩のこと好きやった。……ずっと
言葉にした瞬間、
先輩の瞳が揺れて、ふいに顔を歪めた。
pr …あかん。なんか、頭ん中ぐっちゃぐちゃなってきた
tg 先輩…?
先輩は額を押さえて、息を整えるように目を閉じた。
pr ちぐが、泣いてる顔
pr 俺がその涙ぬぐって、“もう泣かせへん”って言ったこと
pr 冬の夜、公園のベンチで手ぇつないだこと…
ひとつずつ、言葉の形で記憶が戻っていく。
「──思い出した」
ぽつりと、先輩が言った。
pr …俺、ほんまにちぐのこと、好きやった。
記憶なくなっても、また好きになったってことは──
prやっぱそれ、本物やったんやな
俺の目から、また涙がこぼれそうになる。
tg …おかえりなさい、先輩
pr ただいま
その言葉だけで、胸がいっぱいになった。
もう一度、ちゃんと出会えた気がした。
♡▷▶︎▷▶︎2000
コメント
7件
やっとぷりちゃん思い出したんだ,,!!!!(´;ㅿ;`) ここからどうなるんだろ、楽しみ過ぎる、、、、!!!!
やばいこれバケツ1個じゃ私の涙は止められない(இдஇ`。)
思い出せた〜! 続き楽しみ!