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凛の夢の中で、美咲の姿をした“もう一人の自分”は、微笑んでいた。
「ねえ、知ってる?あなたが持ってるその鍵、前は“牢の鍵”だったの。でも今は違う。今度は、扉を“開ける”ための鍵よ」
凛は、胸の前で鍵を握りしめる。
「開ける……?」
「そう。魂の檻を。2人の呪いを、終わらせるための鍵なの。それには……“許す”ことが必要」
「誰を?」
「あなた自身と、彼と、そして……あの時の“終わり”を……」
凛は涙をこぼした。
そして、静かに頷く。
「私、できる。もう、繰り返したくないから。敬太くんと、未来に進みたいから……」