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『氷の口づけ ― 抵抗と甘美の狭間 ―』
童磨の瞳がじっとわたしを捉え、唇がゆっくりと重なった。
でも、その温もりに心がざわつく。
「やっ……だめ……」
小さく、震える声が漏れる。
身体は自然に少し後ろへと反応するけれど、彼は優しくわたしを押し止める。
「逃がさないよ、あいちゃん」
何度も何度も繰り返されるキス。
唇が触れるたびに、わたしの胸は締めつけられて、嫌だけど、どこか離れられない。
「んっ……あ……」
抵抗する気持ちと、甘さが混じって小さな声が溢れる。
彼の舌がそっと絡みつき、わたしの唇の隙間に入り込んでくる。
「やっ、んっ……」
息が詰まりそうで、目を閉じて耐える。
けれど、童磨の温かさと冷たさが入り混じったそのキスに、身体が少しずつ委ねてしまうのを止められなかった。
「もう……だめ……」
また、小さな声が漏れる。嫌なのに、どこか心が揺れている。
彼の手がそっと髪を撫で、耳元で囁く。
「怖がらなくていいよ。僕が全部守るから」
その言葉に、一瞬だけ胸の奥が震えた。
嫌だけど、甘くて切ない。
童磨のキスは、そんな複雑な感情を絡め取っていく一
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