⚠ドイツ目線、ドイツが泣く
第11話
…
玄関で寝てた兄を起こして、部屋に入ってから
無言が続いてる
まぁ無理もない…俺も話しかけられないから
人のことは言えない
「…話したい事って何だ?」
兄が口を開いた
やはり、兄は流石だ
消えるなんて嘘みたいに、笑って生きてる
「兄さん、消えるんだってな」
…
兄は固まった
そんな事を関係なしに俺は続ける
「どうして言ってくれなかったんだ」
もっと言いたいことがあるだろ
何故、怒るように言ってしまう…
今までの恩を思い出せ
「…お前には関係ないだろ」
関係ない…?
そんな事あるか
俺は
俺は!!!!
「兄さんを治したかったんだ!!!
なのに、消える事を黙ってて
それでそんな事を言うのか!!
消える事を最初から知ってたらそれも治すつもりだった!治せないかもしれなかったけど
寿命を伸ばすことはできるだろう?!
それに、もっと兄さんと訓練したり…それで」
俺は思わず泣いてしまった
泣いてる俺を、黙って兄は見つめていた
早く泣きやもうとしても涙は止まらない
どうして
早く泣き止んで兄と続きを話したいんだ
早く止まれ
俺は目を擦り続けた
「そんなに擦ったら赤くなっちまうぞ
ヴェスト」
兄がそう言って俺の手を掴んだ
兄に咲いた花の色は完全に赤に近い
…あと1週間ぐらいだろう
「…ヴェストの気持ちはスゲーわかった
俺が悪かった…でもな、どうしても無理なんだ
それは俺が1番分かってる、こういう事は俺にも昔あったからな…」
ケセセセ、と兄は悲しそうに笑った
それなら
「消えるまで、俺と一緒に沢山の場所に行こう」
俺は兄の手を両手で掴んでそう言った
「え」
兄は驚いた顔をしたが、
深呼吸をして
「おう!それいいな!」
と笑顔になった
コメント
2件
ギル消失ネタだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ここだとあまり見かけなかったもので… 芋美味しいですぅぅ…所々入る一人ぼっち同盟もいいですぅぅ…… 2人の、兄弟愛みたいな所が上手く出てて読んでて楽しかったです 凄い…凄い好きです…