とある日のバカップル
著作 無名
僕は理解した。
恋愛は難しい事を理解した。
気温が高くなり、少しだけ過ごしやすくなった1月のとある日。僕は買い物に行くために駅のホームに向かい、電車に乗った。僕は考えた。そして思い出した。桜が舞う季節となったあの日のことを。
その日僕は同じような理由で別の駅のホームで待ってた。人の少ない駅だった。その日は僕と仲良しそうなカップルがいた。僕はふと、とある言葉を思い出した。「恋をすると周りが見えなくなる」「恋は盲目」という言葉だ。そんな些細なことを思い出していると、カップルが急に痴話喧嘩を始めた。僕は戸惑った。困惑した。何故ここで始めたのか。カップルは僕のことが見えていないのか。そんなことを考えながら聞いた。人間は不思議だ。恋とはとても難しい。そんなことを考えた。電車が来た時、彼女さんは彼氏さんに向かって思いっきり頬を叩いた。僕はまた戸惑った。彼氏さんはいけないことをしたのか。または彼女さんの地雷を踏み抜いたのか。その時、彼女さんは彼氏に向かって「貴方とは別れる」と言った。彼氏さんは「分かった」と言った。たったの一言なのに彼氏さんの声は悲しいような声だった。電車が出発しそうだったので、僕は急いで乗った。
今思うと、恋愛とは難しいことだと分かった。相手の事を考えないとそうなるのか、そんなことを考えた。僕は恋愛したくない、そう思った。今でも彼氏さんは何をしたのか、真相は分からない。気温が高くなり、少しだけ過ごしやすくなった1月のある日。僕は理解した。
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