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鶴崎×ふくらP
「今までに無いくらい」 ー番外編ー
ふくらP目線
鶴「ふくらさん」
「今夜は月が綺麗ですね」
ふP「ッ………」
俺は今日、いや、今夜
好きな人に告白された
これは有名は夏目漱石の台詞、きっと告白と捉えていいだろう
ふP「鶴崎……」
ただ、鶴崎さんから告白されるなんて思ってもいなかった
しかも、『今夜は月が綺麗ですね』なんて、これはきっと夢だろう
ふP 「それって、告白…?」
これは確認、鶴崎から、俺の大好きな人からの告白
これは簡単に信じていいものじゃない
鶴「そうですよ」
そう思っていたけれど、これは本当の告白のようだった
どうしよう、告白されるなんて思ってもいなかった
本当に、嬉しい
俺の大好きな、一生片想いで終わると思っていたこの恋が、今夜、実るかもしれない
ふP「鶴崎ッ……」
「……ありがとうッ…」
ただ、感謝をしたかった
本当に、これは心からの感謝の言葉
鶴崎からの告白ほど嬉しいものはない
僕は鶴崎に感謝を伝える為に、嬉し涙を必死に堪えて、嗚咽も出かかったが堪えた
本当に、鶴崎からの告白が嬉しかった
鶴「……ふくらさん、嫌じゃないですか…?」
嫌だ…?
そんな訳ない、自分の大好きな人からの告白が嫌な人なんて存在しないだろう
早く、鶴崎に『嫌じゃない』と言って、誤解を解きたい
鶴崎は笑っていたが、不安そうな目をしていた
そんな鶴崎の不安を今すぐに消し去りたい
ふP「嫌じゃないよッ…」
「俺も、鶴崎の、ことッ…!」
「うぅッ……」
ダメだ、必死に堪えていた涙が、頬を伝って落ちてくる
今すぐ、鶴崎に『俺も好き』だって伝えたい
鶴崎には心配をかけたくない
なのに、俺の涙は止まることがない
さっきまで一緒に我慢していた嗚咽まで収まらなくて、鶴崎はきっと心配だっただろう
鶴崎の顔が見たい、今、鶴崎はどんな表情なのだろうか
そんな事を思っても、俺の視界は涙でボヤケて何も見えない
鶴「ふくらさん、大丈夫ですよ」
鶴崎はそう言って、俺の頭を撫でてくれた
この鶴崎の動きは、きっと無意識なんだろう
けれど、そんな鶴崎の手は温かくて、俺は余計に涙が零れそうになった
ふP「つるさきッ…!」
やっと口を開けた、また一瞬だけだが涙と嗚咽を必死に堪え、鶴崎と呼んだ
鶴「なんですか?」
鶴崎からの返事はたった一言、『なんですか?』
この時の鶴崎の声は、いつもより柔らかかった
まるで、俺の返事をきちんと待っているように
ふP「おれもッ、すきッ……」
言えた、やっと言えた
やっと『俺も好き』と言えた
ただ、この一言のせいで俺の涙の量も余計に増え、嗚咽の量も増えた
鶴崎が見ているのに、俺は鶴崎の顔を見ることすらできない、できるのはただ泣きじゃくることだけ
鶴崎からの返事はなんなのだろうか、『ありがとうございます』と感謝されるのだろうか
そんな事を思いながらも俺はただ、ずっと泣いていた
鶴「僕も好きですよ」
『僕も好きですよ』、鶴崎からの返事はよくある返事だった
だけど、俺にとってはその返事は一生忘れられない返事になるだろう
俺はまた涙の量が増えるのを実感した
鶴「ギュッ……」
ふP「つる、さきッ……」
鶴崎は泣きじゃくっている俺に、真正面から抱きついた
俺はギュッと鶴崎の上着を必死に握った
痛かったかもしれない、迷惑だったかもしれない
けれど、鶴崎も俺の着ているカーディガンを握っている
俺は鶴崎の温かい体温に体が包まれた
しばらくしたら鶴崎の体が震えていた
きっと、鶴崎も泣いているんだろう
今、僕と鶴崎の涙はきっと止まることがない
鶴崎の顔が見たい、鶴崎の温かい体温を感じながら思った
ありがとう、鶴崎、俺は今、一番の幸せ者だ
今、この手を離したら鶴崎と離れてしまうんではないかとふと思った
だったら離れたくないと言わんばかりにギュッと、鶴崎の上着にまた力を込めて握った
その時、鶴崎はそれにこたえてくれるように俺のカーディガンを握り返してきた
俺は鶴崎と付き合えて、本当に嬉しい
ありがとう、そう言いたかったが嗚咽が邪魔をしてきて言えない
だから代わりに心から必死に、鶴崎に伝わるように願った
“鶴崎、ありがとう、俺、鶴崎の事、 大好きだよ”
これだけしか言えないけれど、それでも、俺は鶴崎に感謝を伝えたかった
『今夜は月が綺麗ですね』
俺は初めて、この台詞に可能性を感じた
コメント
4件
初コメ失礼します! えっと……QuizKnockのBLって謎に鶴崎少ない気がするんですよね……なのに作ってくださったりのさん、いや、りの様に感謝ぁぁぁぁッッッ(´;ω;`)
作ったんなら作んなきゃね