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出かける準備が出来た。僕はソワソワしていた。初めての友達と初めての遊び…。こないだからイベントが沢山。僕は、ソワソワした気持ちをワクワク、ドキドキに変え、玄関のドアノブに手をかけ「行ってきます」。誰もいない家のはずなのに、僕はなぜか兄が笑顔で見送ってくれているように感じた。
玄関を出るとソワソワと待つ、蓮が立って待っていた。「遅れてごめん。準備…出来た…!」僕はワクワクしながら蓮に言う。「ん、ほんじゃあ行こっか!蒼!」僕と同様に蓮もワクワクとした笑顔で答えてくれた。僕の家に背を向けて、僕たちは歩き出す。いままで、出かける相手は兄ぐらいしかいなく、兄が亡くなってからは僕は出かけることが無くなっていた。だが、今僕はこうして、人生初の友達と出かけている。ワクワクやドキドキが溢れ出し、言動や行動に少し出てる気がするほどに僕は嬉しかった。それ以前に、誰かの温もりを感じることが久々すぎるのだろう。「今日はどこ行くの?蓮!」僕は疑問が思い聞いてみた。「僕、今日買いたいものがあって…少し付き合ってくれる?」蓮が微笑みながら聞いてきた。その表情を見て僕はまた、懐かしさを感じた。「うん!付き合うよ!僕もなにか買おうかなっ!」僕も笑顔で蓮の言葉に返事をする。蓮は照れくさそうに「ありがとっ!蒼…!」僕にそう言いながら笑いかけてくれた。
目的地に着いた。見上げる程の大きなお店を前にして僕は「大っきい…!すげぇ…」呟いた。そんな僕の何気ない呟きが聞こえたのか蓮は嬉しそうに「行こっ!蒼!中はもっとすごいよっ!」と言いながら僕の手を引き歩き出す。懐かしい。僕も出かける時はいつも兄が手を引いて歩いてくれた。僕は嬉しかった。「まじっ!?行くいくっ!」いつもなら想像できないほどのテンションで僕は答えた。
お店の中に入ると見た通り広く大きく、いくつものお店が並んでいた。僕たちの学校に通っている全校生徒が二、三倍の量人がいるはずなのにお店は埋まっておらずまだまだ余裕があった。僕のワクワクした心は、思った通り言動や行動にも現れた。「すっげぇっ!俺、こんなん見た事ないよっ!連れてきてくれてありがとっ!蓮!」僕はワクワクしたがら答えた。僕のキャラとは正反対な言動に蓮は笑顔で「うんっ!さっ、行こっ!」と答えてくれた。やっぱり、蓮はどこまでも優しく、どこまでも兄に似ている、少なくとも僕はそう思った。蓮に連れられ到着したのは本屋だった。学校の図書館にすら行ったことのない僕には、宝の山だった。本が放つ紙の匂いは優しく落ち着くもの…。「ここには、色んなジャンルの本があるからよく来るんだっ!」蓮が誇らしげに、楽しそうに話してくれた。「へぇっ!そうなんだっ!俺も色々見て回りたいっ!」またしても性格が変わった気がするが僕もノリノリで答えた。しばらく色々な本のジャンルを覗いては立ち読みを繰り返した。「僕買う本決まったよ!蒼はなにか買う?」蓮が楽しそうに聞いてくれた。「俺も買うよっ!気になる本あったから!」僕はそう返す。会計を終え、二人本屋の前で何を買ったか見せ合うことにした。買ったばかりの本は落ち着きの感じられるいい匂いがした。「せーの!」僕と蓮は勢いよく本を前に出す。蓮の本は「知りたいことがある。」というタイトルの小説。一方僕の本は「真実はいかに。」というミステリー小説。蓮が今手に持っている小説は僕が最初に目の着いたものだった。僕は笑いが込み上げてきた。その前に立つ蓮もどこか笑いを堪えているような表情をしている。「なんで…w笑いこらえてるの…w」僕は気になったため笑いながら聞いてみた。すると蓮は「蒼の本、僕が最初に気になった本でさ…w」と笑いながら答えてくれた。「そうなの?実は僕も蓮の本…w」笑いながら答える。僕と蓮は目を合わせ、気が合うねとでも言っているように笑いあった。「今度、それ読ませてよ」蓮がいった。「じゃあ交換だなっ!」僕はそう返す。蓮は嬉しそうに楽しそうに頷いていた。
「蒼は、買いたいものないの?気になっているものとか…!」蓮が楽しそうに聞いてきた。「う〜ん。特にないかなっ!」僕がそう答えると、「なんかあったらいつでも教えてな!」そう優しく答えてくれた。僕は歩いている時、キョロキョロと周りをみながら感動していた。その時、僕の目に、あるものが移り、僕はそれに釘付けになった。そんな僕を見ていた蓮は少し考えた様子で「…。蒼っ!次のとこ行こっ!」と言ってきた。僕は我に返り「うんっ!行くっ!」そう返事をした。蓮との時間はあっという間で、朝早くから来たはずなのに気づいたら昼だった。「そろそろお昼にしよっ!」蓮が楽しそうに僕に言う。「うんっ!そうだねっ!何が食べたいのある?」僕も嬉しくなり蓮に聞く。「そうだなぁ〜。ラーメンとかどうよっ!」蓮が楽しそうに聞いてきた。「ラーメンいいじゃんっ!行こっ!」僕は返事をする。この時の僕の心は色んな感情に溢れていた。嬉しい、楽しい、ワクワクやドキドキといったいかにもポジティブ思考になっていることが自分でもよく分かった。