トントン🚪
ロイ「…誰や?」
gr「wrwrd国のグルッペンだ。愛乃嬢を連れてきた」
愛乃嬢!!
wrwrdの奴らも一緒か!
○○「愛乃嬢来たんか!入っていいy((」
ロイ「ダメや。入れさすな」
○○「何でよ!いいでしょ!」
ロイ「愛乃嬢が○○嬢に何かやるかもしれへんやろ」
gr「そこのところは大丈夫だ。安心しろ」
ファミル「…分かりました、入ってください」
ロイ「はっ!?ちょ!ファミールさん、!」
ガラガラ🚪
gr「失礼するぞ」
愛乃「失礼します」
○○「おー!!」
グルッペンが愛乃嬢を連れてこちらに向かって来た。
ロイ「グルッペンさん何故連れてきたのですか…!!」
ロイ君はグルッペンの方向を睨む。
gr「少し耳をかせ」
グルッペンはそう言うと執事なよ2人の耳に口を近付ける。
gr「隠れて様子を見守る、その方が本当の事が分かるだろう」
私はグルッペン達が何を話していたか分からなかったが、2人は何か納得したような顔をして、愛乃嬢と私が話すことを許してくれた。
gr「私達は少しこの場所から離れておく。」
ファミル「お2人でごゆっくり話してくださいね」
○○「分かった!ありがとう!」
愛乃「ありがとう」
3人とも医務室を出ていき、私達は二人きりになった。
○○「ねぇね…愛乃嬢も同じ事話された?」
愛乃「えぇ…、そうなの…」
○○「はぁ…本当あの人達分かってないよね〜!」
私は重くなっている場を少しでも明るくする為にふざけ気味に軽く言った。
愛乃「……………」
それでも愛乃嬢は
俯(うつむ)いて暗い表情をする。
愛乃「…ごめん…」
沈黙だった空気に愛乃嬢の一言が響いた。
○○「え、え、愛乃嬢は悪くないよ!」
私は戸惑い、精一杯、愛乃嬢を励ました。
愛乃「あの…前…言いかけた事あったでしょ…」
○○「え?あーうん。」
私は愛乃嬢の庭で走り回っていた事を思い出す。
○○「今更なんだけど何を言おうとしたの…?」
私は気になったことを口に出した。
あの時は聞けなかったけど今なら自然に聞けた。
愛乃「…実は…前のパーティでね…」
○○「…うん」
私は真剣に話を聞こうとする。
【gr視点】
“2人の話を聞こう”
それが私の簡単なアイデアだった。
○○嬢の執事になり切っているエーミールやロボロも私の意見に納得してくれた。
2人だけの空間を作る為に私達3人は、医務室を出ていき、離れるふりをした。
扉越しだが、こっそり2人の話をちゃんと聞いてみよう思った。
医務室の扉は、患者が医者などを呼びやすく聞こえるように薄くなっているのだ。
2人の会話は、少しずつ始まっていった。
今のところ、愛乃嬢と○○嬢の会話は一般と変わらない。
私達の思っていた会話と違った。
もっと愛乃嬢は○○嬢に辛辣な言葉をかけるかと思ったが、親しい友達のように優しく会話をしている。
まるで私達の勘違いだったかのように。
この案を選んで良かった。
私は改めて安心した。
だが、重い空気でもあり聞いている限り、気まずそうな時間や、重い空気を感じる。
「…ごめん…」
少し沈黙が続いた後に響いた一言がそれだった。
その言葉を聞いた瞬間、私は驚いた。
愛乃嬢が○○嬢に謝ったんだ。
ただその「ごめん」というたった3文字の言葉だけで私の心臓はドキッとした。
恐らくロボロ、エーミールも私と同じく予想外の愛乃嬢の言葉に驚いている。
2人とも声は出ていないが眉を寄せ、目を見開いて聞いていた。
そんな私達が驚いている間に、会話はどんどんスムーズに進んでゆく。
「…実は…前のパーティでね…」
「…うん」
愛乃嬢が○○嬢に何かを話している。
私は一瞬何の話をしているのか分からなかった。
だが、ロボロは瞬時に分かったようだった。
私は少し間を開けて考え、ようやく何の話かを理解した。
あの時のパーティーの話。
ロボロとエーミールがスパイとして私達に報告してくれたあの時の様子の事だ。
「私…○○嬢がwrwrd王子達といるのに嫉妬して、邪魔しよう…って思ったの…」
愛乃嬢は重たげな様子で、話し出す。
途切れ途切れになっている言葉をゆっくりと少しずつ繋げてパズルのように文章を完成させた。
「それであの時2人きりで話そう…って話しかけたんだ…」
「…ってことは執事のロイ君はそれに気づいて誘いを断ってたって事…?」
重かったような会話がだんだんとなめらかになってゆく。
○○嬢が言った執事のロイという人物は、wrwrd国の王子、ロボロがスパイとして偽名を使って化けた架空の者。
同じく執事のファミールという者もエーミールがなりきっている。
だが、ファミールは元々本当にいた執事の名前だった。
ファミールは、いきなりのこと、通り魔に刺されて遠の昔に死んでいる。
だがその事は○○嬢には知らされておらず、エーミールがなんとか化けているのだ。
「…ごめんね…」
またもや愛乃嬢は小さく呟いた。
「あの…私ね…言い訳になるかもだけど…自由で幸せそうな貴方が羨ましかったんだ」
「…愛乃嬢は幸せじゃないの?」
自然のように語り出した愛乃嬢に、○○嬢は不思議そうな声で質問する。
「もちろん…幸せだよ!
でも、自由…って感じた事なかったんだ…」
愛乃嬢は、慌てたような声から変わり、沈むような暗い声で話し出した。
「私ね、いつも完璧でいなきゃお母様やお父様をがっかりさせてしまうの…」
「完璧でいなきゃ叱られるの…?」
愛乃嬢は幼い頃からいつもお行儀がよく、美しい人だと大勢の人から尊敬されていた。
私も恥ずかしながらも見惚れていた事もあった。
「まぁ…うん…。でも今は亡くなっているのだけどね…」
愛乃嬢は少し苦笑いをしながらもすぐに悲しげな声に戻った。
「でもその時、貴方を見かけたの。自由で楽しそうな貴方を。」
「私…?」
「そう。好きな人には好きな対応を、嫌いな人には嫌な対応を。」
「ちょっとそれはそれで恥ずかしいなぁ…//」
「そうかな?私はそんな貴方に憧れてたわ」
少し明るい空気に変わってゆく。
「私は、関わりたくない苦手な人にも嫌でも関わらなきゃいけないし…」
愛乃嬢は一瞬口を噤むんだが話を続けた。
「もっと話したい人でも関わる時間が決まってるし…」
「そんな…奴隷みたい…」
「でもそれが私にとっては日常だったの…」
???「愛乃嬢…」
…っ!?
すると、こっそり扉越しに○○嬢達の話を聞いていた私達の後ろから、何者かの声がした。
それは_
────────第22話────────
♡2000 💬10件以上
約3000文字お疲れ様です
コメント
21件
こんな面白いの思い付くの凄い!天才だ…
それは___? すっごく気になります...!!
気になリンゴォ……へけぇ…(?)