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今回は都合上短めになっています……💦
二十話くらいまでは澪姫が十五歳になる前に起こった出来事となっておりますので、
澪姫の物語がみたいよ〜!
って方は、フォローもらえれば、
すぐ通知が行きますので✊🏻⸒⸒
ゆったりお待ちいただければ幸いです
m(_ _)m
そしてこの前半の物語は、後で澪が体験する
ことの前触れでもあるようで……。
そこも楽しんで見ていただければ幸いです☆
❁⃘*.゚
(どうしてこうなっておるのじゃ……。早産とはいえ、立派に腹の中で健やかにしていた筈)
櫛崎浅長の正室・良姫が見たのは、今まさに出産を終えた筈の側室、お露の方が、衰弱した様子で横たわっている様子。
そして………抱かれているのは、先程生まれた若君。
しかし、母であるお露も赤子からも、元気がなく生気を感じられない。
正に危篤の状態である。
「お露殿ッ! しっかりしてくださいませ!」
「………良姫様?」
「……良いですか、母子ともに死んではなりませぬ!!」
「………ッは………ですが…………」
「……急ぎ薬湯を!」
「はい!」
「赤子は、胸を叩くと良いと思いまする」
「はい!!」
良は今日まで勉強してきたあらゆる本の内容を記憶からまさぐり、必死に解決策を探していた。
ふとお露が後ろめたくなり、
「いいのです………御子だけ……お助けください……」
と言っても、
「何を! 良いですか、何がなんでも生きるのです」
と言って励ました。
その願いが通じたのか。
侍女よりも長くお露と子の側にいて、看病していった結果。
二日後。
お露は身体が上げられるほど回復し、
御子も、おぎゃー、おぎゃーと元気な産声を上げた。
見事に助かったのである。
その結果、お露の産んだ男子は病弱でありながらも、
父に松吉という幼名をつけられた。
これが松吉君である。