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「これでホームルームを終わります。
規律。」
「さようならー。」
「なーのかっ!一緒帰ろー!」
「はーい!ちょっと待ってー!」
ホームルームが終わると、直ぐ紫莉たちが近寄ってきた。
「菜乃花も今日イヨンくるでしょ?」
「うん!いくー。 」
リックのチャックを閉め、急いでからうと、紫莉たちの輪に入っていった。
「そーいえば、今日マークの新作のパイ出たよね?」
「あー!カレー味のやつ?」
「そう!それそれー」
「あれ、そういえば菜乃花、ブレザーは?」
「ん?………
あーー!!
さいあく…忘れてきた…。
教室にはないし、理科室もないはずだし…」
「図書室じゃない?昼休み図書室行ってからブレザー来てない気がする!」
紫莉が間を空けて言った。
いつも紫莉は、私のことをよく見てる。
「あー、たしかに図書室かも…
ごめん!取りに行ってくるから、先に行ってて!」
「はーい。」
そういうと、私は走った。
廊下を走り、階段を降り、また長い渡り廊下を走ればすぐ図書室。昨日の夜は雨が降り、渡り廊下は湿っていて転びそうになりながらも、図書室に到着した。
(まだ開いてるよね…)
図書室のドアには『OPEN』という看板がしてある。まだ開いてるんだ。
図書室のドアをそっと開け、周りを見てみた。
(あれ…、無い…)
どの椅子にも、私のブレザーはかかっていない。
(あー、誰か忘れ物だと思ってどっかに届けられたのかな…?)
カウンターに行って声をかけてみる。
「あのー、すみません、誰か居ますかー?」
…返事は返ってこない。
(えぇ…、どうしようかな…。)
人がいる気配は無い。
どうしようもないので図書室内をブラブラする。
(なんで人が居ないのに開いてるんだろ…、、)
そう思って丁度本棚の近くを通ってみると、
そこで私はその子見た。
今でも、夢だったんじゃないかって思う。