姫冠 様からのご依頼
太宰治(文豪ストレイドッグス)×遊園地デート
start
「〇〇と遊園地逢瀬なんて…。我ながら素晴らしい計画だ」
「置いて行くよ」
顎に手を当てて満足気に云う治に、私は冷たく返して遊園地のゲートをくぐった。
今日は彼氏の治と遊園地に来ている。提案したのは治。遊園地なんて何時ぶりだろう、とワクワクしていたのは彼には内緒。
「最初はやっぱりジェットコースターかな?」
「あー…。ジェットコースターは後にしない?」
「何だい〇〇、若しかして絶叫系苦手?」
にしし、と意地悪な笑みを浮かべる治に図星を突かれる。その通り、私は絶叫系の乗り物が苦手だ。
「そ、そんな事ないし」
「そう?じゃあ乗ろう」
「ちょ、待っ」
ギャァァァァァア!!!
「はあ……」
「おやおや、顔が真っ青だよ?」
「誰の所為だと…」
腕をガッシリ掴まれて強制連行された私は、無事に気を失いかけた。私のプライドが許さなくて辛うじて涙は堪えたけど、其れはまあ酷い絶叫だった。
その後はチュロスなるものを食べたり、お化け屋敷で治が余りに怖がらないからお化け役側がたじろいだりと、普通とは一寸だけ変わった遊園地逢瀬を楽しんだ。
「そろそろかな」
「?」
「じゃあ最後に観覧車でも乗ろうか」
治に手を引かれて観覧車乗り場に向かう。治の言葉に少しの違和感を感じつつも、まあ其れも何時もの事なので特段気にする事もなくチケットを買って乗り込んだ。
「わ、結構揺れるね」
「怖いの〜?」
「怖くないわ!」
ゆっくりと上昇していく観覧車に、先刻のジェットコースターの怖さを思い出す。
「大丈夫だよ、きっと良いものが見れる。後悔はさせないさ」
そう云って向かいに座っていた治が私の隣 に座り直す。優しく手を握られて少し心が落ち着いた。
「ほら、もう直ぐ頂上だよ」
外を見てご覧、と云われて顔を上げると…
「わあ…!! 」
外に広がっていたのは、橙色の大きな太陽と、同じく橙色に染まってキラキラと輝く海。横浜の海から太陽が半分覗いていて、迚も綺麗な日没だ。
「綺麗…」
「之を君に見せたくてね」
如何やら遊園地逢瀬を計画していた時から想定済みだったらしい。やっぱりこういう所は治には叶わない。
「ありがとう」
「どう致しまして、お姫様」
最高な逢瀬だったのは、云う迄もない。
コメント
9件
はぁはぁはぁぁぁぁぁ!!(?) 今もう最初の1文字目から好きです(?)どうしよう好きです結婚しましょう((( 〇〇の嫌な所に行って満足してるとことか最後に綺麗な景色見せてくれるとことか太宰さんらし過ぎて好きです、、!!! ありがとうございましたこれからも是非とも応援させてください