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ソファーで眠っていた涼ちゃんが、ふと、こほん、と小さく咳をした。
𓏸𓏸はすぐに気づき、心配そうに涼ちゃんの方へ目を向けた。
しかし、涼ちゃんはその気配を感じ取って、
「心配かけたくない」と思ったのか、
咳が出そうになるのを必死に我慢して、
口元に手を押し当て、小さく体を丸める。
それでも喉奥がむずむずして、
何度か苦しそうに息を潜めるけど、
涼ちゃんはがんばってそれを隠した。
𓏸𓏸はそんな涼ちゃんの様子を見つめながら、
(もう無理しなくていいのにな……)
と心の中でつぶやき、
やさしく背中をそっと撫でた。
リビングの静かな午後、
ふたりの胸の中だけに、
静かな気遣いとあたたかさが満ちていた。