テラーノベル
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「人間なら汚れもつくだろうし、お前に触れる時まとわりついて煩わしいだろ」
「ダメです」
「え?」
「ぜっっったいダメです! 切らないでくださいそのままでいてくださいいい!!」
「お!? お、おお、まあいろりがいいならいいけどよ」
煩わしいなどとんでもない。いろりは触れられる時、蛇珀の長く柔やかな髪が肌をくすぐる感覚とその時の優しい匂いが大好きだからだ。
「母ちゃんに会ったら、まずは願い聞きで出逢ったことから話して……」
「お待ちください蛇珀様。そこからすべてを話したらたぶん母の脳は混沌を極めますので、神様であることは伏せておきましょうか」
「おお! 確かにそうだな。俺は今人間なわけだし……人として、話す」
愛する人、しかもこのような固い話が苦手そうな蛇珀が自分のために懸命に考えてくれているのが、いろりにはとても嬉しかった。
「蛇珀様らしく行けばいいと思いますよ」
「そうだな! よし行くか!!」
「はい。ですがさすがにこのスタイルで参っては母が卒倒しそうなので、とりあえず並んで行きましょうか!」
「わかった!」
つい癖でお姫様抱っこして行く気満々だった蛇珀に、いろりの突っ込みも冴え渡る。
鮮やかな橙色の日が街並みを染める頃、二人はいろりの家に辿り着いた。
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