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キャスリンはソファに座りゾルダークの家紋を刺繍している。もうそろそろ出来上がる。誰にあげようかしらと考えながら針を刺す。月の物が始まって痛みがある時は過ぎ、それでも大事を取ってゆっくり過ごしている。歩けるときはダントルと庭へ出て、食事も食べる量が増えている。
見舞いに来てくれて嬉しかった。子が宿らず落ち込んだ気持ちもあの日を思い出すと浮上して前を向ける。社交もハインス以降、私の体調不良で参加していない。カイランに一人で参加をとトニーに伝えたけれど夫婦で行くべきだと参加しない。ゾルダークは元々夜会嫌いで有名だったから特に何も言われない。カイランとリリアン様のことも社交に出ない私には何も届かない。キャスリンはゾルダークで信頼できる者達と穏やかな日々の中にいる。
「旦那様が本日は共に夕食をと仰っていますがいかがですか?」
嬉しい申し出だけれど、カイランには会いたくない。しかし、ハンクから誘われるなんて珍しいわね。
「カイランはいないの?」
ソーマは頷く。それならばとキャスリンは申し出を受けた。いつものように食事中は会話がない。私の食べる量は増えてきたけれど元々の量には追いついていない。料理番は私が食べやすいようにと最近では切り分けておいてくれる。自分で切ったりしているとそれだけでお腹が満足してしまい残してしまっていたのを気にしてくれたのだ。そのおかげで食べる量も元に戻りつつある。食後のソーマの紅茶の時間は久しぶり。一息つく頃ハンクが立ち上がり私に近づく。上から見下ろされ私は首を傾げ何ですか?と問う。
「立ってみろ」
ハンクが椅子を引くのでその場に立ってみる。すると脇の下に手を入れられ上へ持ち上げられる。呆気にとられなすがままになる。
「軽くなってる」
私の食べる量が減っていたのを気づいていたようだ。私は微笑みハンクに答える。
「これでも増えたのです。料理番が工夫してくれて少しずつ元に戻ってますわ」
ハンクの眉間に深くしわが刻まれている。心配してくれているのかしら。私は子供のような格好も気にせず、ふふふと笑って動かないで好きなようにさせた。ハンクはそのまま私を片腕に抱きソーマへ目配せする。ソーマは食堂から出て、少し待つと戻りハンクへ頷く。ハンクはそれを確認してそのまま歩き出した。
誰かに見られたらと、ふと過ったがソーマが一時退室したのはそういうことなのかと納得し聞くことはしなかった。久しぶりにハンクの執務室に入った。あの時と変わらない。ハンクは私を抱いたままソファに座り、膝に乗せた。もう痛みはないのに大きな手は私の下腹を撫でている。
「痛みは収まりましたわ」
そう告げても下腹を撫でている。心地いいから止めることはしない。
「閣下。吸い付くと赤くなるのですね」
「ああ」
この前の夜ハンクが鎖骨辺りに吸い付いた。朝起きてジュノに聞かれるまで気づかなかったが鏡を見て点々と肌が色を付けていた。以前胸にあったものと同じに見えたので納得したのだ。
「またしてくださいな」
「ああ」
私はハンクの胸に頭を預け心地よい気分でいた。こうしていると安心する。ハンクは私の髪の先をくるくる指に巻いて遊んでいる。髪をくんっと引っ張るので見上げると口が落ちてきた。合わせただけの唇。すぐに離れてしまった。私は顔を上げたまま待つ。焦れて口を開けるとハンクの口が覆ってきた。私は舌をハンクの口に入れ舐める。ハンクの舌の奥の方から絡め舐める。唾液が流れてくるがそのままに飲み込んで舌を絡めて吸う。すぐに息が上がり呼吸が激しくなる。ハンクは腕を私に巻き付けて抱き込む。気持ちいい、もっとと私もハンクの体に手を回す。隙間が消えるほど密着する。気持ち良くて安心する。ハンクは口を離し私を見つめ二人の唾液だらけになった唇を拭う。黒い瞳が私を映す。私のお尻の下には硬くなったハンクの陰茎を感じる。まだ月の物が終わってないから子種を貰えない。ハンクの手は私を撫でている。大きな手は気持ちがいい。私はお尻に当たる陰茎を擦るように腰を動かした。ハンクの動きが止まるけれど私を止めることはしない。私は陰茎に手を伸ばす。服の上から触るととても硬い。手で撫でて掴んでを繰り返す。これが私の中に入っていた。こんなに大きくて太い、どうやって入っていたのかしら、入るときは小さくできるのかしら、と考えながら陰茎に触れている。ハンクの体が少し反応したので手を止める。
「痛いのですか?」
私は悪いことをしたのかと少し不安になる。
ハンクは答えないでただ私を見つめている。痛いなら嫌がるわよねとまた手を動かす。服の上から撫でるいつまでも硬い。微笑みながら撫でているとハンクは私を抱き上げ立ち上がり寝室へ向かう。初めて入るハンクの寝室。
「まだ月の物が終わってないのです」
私は残念に思いながらハンクに告げる。ハンクは私を寝台に座らせ自身は立ったまま腰紐を弛ませ陰茎を取り出す。薄暗い中でもわかる赤黒く太くて長い陰茎が立ち上がっている。私は手を伸ばし触る。温かくすべすべしている。指先で撫でる。ハンクは私の手を掴み重ね陰茎を握り込ませ、上下に動かした。結構強く掴んでいるけれど痛くはないようだ。ハンクが手を離したので私は一人で陰茎を握り動かす。片手だと大変で両手で握り込み動かす。陰茎が時々跳ね、先の所から液体が滲み出てきた。子種が溢れてしまう。私は手に取り口に含む。少し苦い。これが私の中に注がれている。感慨深い思いが溢れまた手を動かして子種を出してみる。次々と先から出てくるのがもったいなく、手を止めて掬うのも面倒で陰茎の先を口につけ舐めとる。これにはハンクが反応したので駄目なことかしらと見上げると頭を撫でられたので続けることにする。手は陰茎を掴んで撫で続け先は口に含んだままにしているとハンクの手が私の手を包み激しく動かす。片方の手は私の頭を撫でている。陰茎が僅かに膨らみ私の口の中に子種が大量に注がれる。一度注がれその後も何度か口に注ぐ。大量の子種が口から溢れてしまう。陰茎から口を離し押さえる。青臭く苦い味が口中に広がる。ハンクは掛け布を私の前に広げた。
「吐き出せ」
吐き出すものなのかと口からとろりとした子種を出す。口の中はまだ苦い。ハンクは水差しから器に注ぎ私の口元に持ってくる。水を飲んで口の中から子種が消える。初めて味わう子種の味に嬉しくなり布に出した子種を掬って口に入れようとしていたらハンクに腕を掴まれ止められた。舐めてはいけないのかしらと仰ぎ見る。
「また出してやる」
そう言って陰茎を拭いトラウザーズを履いてしまった。ハンクはまた器を差しだし私に飲ませる。
「約束ですよ?」
私がそう言うと抱き締めてくる。そのまま寝台に倒れ二人で抱き合う。ハンクの胸に顔をつけ鼓動を聞く。優しい音に心が温かくなる。少し速かったのが間隔が変わる。ハンクは私の頭を撫で腕に力を込め抱き寄せる。その苦しさも心地いい。しばらくそのまま過ごす。このままこうやって眠りに落ちてみたい。扉を叩く音が終わりを告げる。私はハンクの服を握り、まだもう少しと願う。
「俺を見ろ」
言われて顔を上げハンクを見つめる。頭を撫でられながら約束する。
「待ってろ」
私は頷き握り込んだ手を離す。自分の足で立ち歩いて寝室を出ていく。執務室には誰もいない。そこには私がハンクへと渡した硝子の器が棚の中に置いてあった。
キャスリンが自室に戻り、ハンクは酒を飲んでいた。あそこまでするつもりなどなく、ただ触れていればそれで良かった。なのにあれはなんだ。ハンクはソーマを問いただす。
「あれに指南書を読ませたか?」
ソーマはいいえと答える。
「我が家にある指南書はすべてここにありますよ」
なぜそんな事を聞くのかとソーマは問う。ハンクは答えられない。なんと言えばいいのか。
「忘れていい」
それだけでソーマを黙らせる。
指南書を読まずにあんなことを自ずとしたのか。ハンクは手酌で酒を注ぎ呷る。椅子から立ち上がると窓の外を眺め気を鎮める。
そんな主をただ見つめ、寝室で何かがあったのだろうなとソーマは察し、空の器に酒を注ぐ。