コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
・・・
兄の所にやっかいになって1か月、義姉の弘美さんは言った
「内容証明も問題ないし、向こうが大人しく受け入れてくれれば、これで離婚は成立するけど彼が不服を申し立てた場合は・・・・ 」
「裁判になって、私は血みどろのあらゆる屈辱を味わいながら戦う事になるのね・・・ 」
私はハルに離乳食を食べさせながら言った、今日の彼はご機嫌に半分食べて半分噴き出すを繰り返していた
私は辛抱強く彼の口をふいてまた新しく口の中に放りこむ
「それでもいいわ・・・覚悟は出来てる俊哉は何て? 」
彼女はどう言おうか迷っているようだった、そして話し出した
「あなたも彼の性格を分かっていると思うけど、彼がこのまま黙って離婚を受け入れるのは、ハッキリ言って難しいの、裁判で争うのはもちろんだけど・・・ 」
嫌な予感がする
「何?ハッキリ言って・・・」
「あなたは今も櫻崎家の一員よ、そして櫻崎拓哉の実の妹なの・・・彼は大芝居を打って真面目な好青年を金持ちのわがまま娘・・・それがしかも櫻崎拓哉の実の妹にさんざん弄ばれ捨てられたと・・・彼はそうやって世間の注目を引きたがっているわ・・」
「なんですって?」
「最近の彼は本性を隠すことはもうしていないわ、あなたとの事をゴシップサイトに売ってもいいし、暴露系ユーチューバーになって全部バラすのも面白いと言ってたわ」
信じられなかった・・・
俊哉があのまま大人しく離婚を受け入れることは無いと思っていたけど、裁判で正当に戦って可決したことには従わないといけないし、二度と彼と会わなければ良いと安易に考えていた
そして弘美さんが言わんとしていることすぐにわかった
このままでは兄の評判まで悪くなってしまう・・・
なんてことだろう・・・・
私のしたことで兄達にこれほど迷惑がかかるなんて
「彼は慰謝料にいくら欲しいって?それも口封じの・・・ 」
弘美さんの口からは、目が飛び出るほどの金額が提示された、もちろん俊哉の提示した金額をそのまま払うつもりはさらさらないと彼女は言った・・・
ただ・・・ある程度の手切れ金は渡さないといけなくなるかもしれないと
私をあんな目にあわせたあげく、彼に金銭的に特をさせるなんて、これほど人生で彼と結婚したという事を後悔して屈辱を味わう事になるとは・・・
怒りと悔しさでどうにかなりそうだった
「・・・俊哉の乗っているベンツを渡せばいいわ、あれは私名義で兄が買ってくれたから彼に伝えて、私は実家に勘当されているからあなたの思っているような大金はせしめられないわよと、現に私は一銭も持っていないんだから」
人生でこれほど人を憎いと思ったことはなかった、握りしめるこぶしに力が入った
しかし私の憤りとは反対に、弘美さんはにっこり微笑んで私に言った
「実はこの件に関して、あなたを助けたいという人がいるの」