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『ふあ~ぁ…』
昨日夜ふかししすぎたせいかあくびがでる
わたしの誕生日を迎え、わたしはついに13歳になった
…そう、わたしは早生まれなのだ
だから体の成長も記憶力も他の人とは違う事が多い
中学2年生なんて勉強をやらなくなる人が多くなる時期だ
わたしはあの楠木高校に進学する為、今日も学校に通う
『…あれ』
ポケットの中を弄ると何かが無くなってることに気づいた
『ハンカチがない…』
眠かったせいで気づかなかった…
ハンカチを早く探さないと…
せっかくお母さんが縫ってくれたんだから
「…おーい、そこの君」
『…あ!』
声がした方を振り向くとハンカチを持った女の人が立っていた
「ハンカチ、落としてたよ」
『あ、ありがとうございます…!』
その女の人はそう言うと私の服を見た
「その制服…佐村中学の?」
『そうですよ』
…そういえば、この人制服来てない?
『その…大学生さんなんですか?』
「ううん、JKだよ。私夜間定時だから」
『な、なるほど…』
だから制服着てたなかったのか…
「とりあえず、今から学校でしょ?早く行ってきな」
『は、はい!ありがとうございます…!』
そう言って軽くお辞儀をすると女の人が少し微笑んだ
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今日の天気は曇りなき晴天!
とてもいいお散歩日和だ
長い横髪を結んでいつものようにおさげにした
そして、パーカーとレディース短パンを履いて私は家を出た
それにしてもお腹空いたなぁ~…コンビニで寄ろうかなぁ~
しばらく歩くとある一人の女の子を見つけた
『あの制服って…』
私の通ってた佐村中学の制服だ
うーん…なっつかしいなぁ~…
『…あ』
あの子、ハンカチを落としていた
拾ってあげた方がいいよね…
『…おーい、そこの君』
「…あ!」
その女の子は振り向くとびっくりした表情でハンカチを見つめた
『ハンカチ、落としてたよ』
「あ、ありがとうございます…!」
制服の事言おうかな
『その制服…佐村中学の?』
「そうですよ」
合ってた、良かった…
これで間違ってたら私佐村中学の恥になると所だったよー
まぁそんな事ないだろうけどね…
「その…大学生さんなんですか?」
あぁ~…
『ううん、JKだよ。私夜間定時だから』
「な、なるほど…」
多分登校中だよね…
『とりあえず、今から学校でしょ?早く行ってきな』
「は、はい!ありがとうございます…!」
その子はそう言うと軽くお辞儀した
こういう子は本当に健気で可愛いんだよなぁ~…
私は無意識な口元が緩んでいた
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『春人く~ん!ここの問題教えてほしいんだけど!』
「胡桃ちゃん!勿論いいよ!」
『ふふっ!ありがとう!』
ったく、男ったらすぐOKするんだから
わたしの名前は胡桃。楠高校の2年A組
2年A組は大分ギスギスしてる
まぁその大半はわたしなんだけどね♪
何で女の子って男に上目遣い使っただけで妬むんだろう?
自分達もやってる事はほぼ同じなのにね~
それに、わたしは女の子の前でもぶりっ子をしている
誰にもぶりっ子してるんだから愚痴る必要ないのにね~
まぁ…嫌われる理由がそれなんだけど
「…山﨑さん、まだワークの提出してないんだけど…」
『あ~…後で出すね!教えてくれてありがとうね♪』
この子の名前は茂木楓
2年A組の学級委員長だ
The真面目!だからわたしと接点ないし話も噛み合わないから特にこれといった印象はない
「わかった」
『うん!』
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『…山﨑さんまだ提出してない…』
先生に出す予定のワークを全員分確認していたら、山﨑胡桃さんのワークがまだ提出していない事に気づいた
…もしかして、山﨑さんとお話できるのかな…
私は少し山﨑さんに恋心を抱いている
これは至って普通ではない事は分かっているけど…
私は、山﨑さんとお話できるだけでいい
山﨑さんがいつもみたいに愛想を振りまいてくれれば
『…山﨑さん、まだワークの提出していないんだけど…』
「あ~…後で出すね!教えてくれてありがとう♪」
予想通りの返しだ
『わかった』
「うん!」
だけど…
やった、山﨑さんと話せちゃった
義務的な事でも私は話せるだけで嬉しい
きっと、この想いは伝わらないと思うんだけどー
結婚をして、子供を産んでもいいから
死ぬまで片思いをさせてほしい
だけどー
山﨑さんにこの気持ちを気付かれたらもう終わりだ
山﨑さんが怖がってしまう
私はただ、山﨑さんに幸せになってほしいだけなのかもしれない