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麻耶は取り押さえられ、後の取り調べでこう供述した。
「妹は、ただの“駒”だった。あの男を殺したのは、私が命じた。白石美咲も同罪よ。彼女が黙ってたから、うちの妹は死んだのよ!」
事件後、黒川梨沙は拘置所で自殺していた。
麻耶はその復讐のために、美咲を監視し続けていたのだ。
すべての経緯が明らかになり、美咲は再び警察で事情聴取を受けた。
だが、今度は“被害者”として。
帰宅した夜、妹は静かに呟いた。
「兄さん、ほんとは……あの夜のこと、全部思い出したの」
「何を?」
「花瓶を投げた後、私、もう一度部屋に戻ったの。
……高城くん、まだ息があった。でも、私、怖くて逃げた」
「つまり、お前が――」
「ううん。殺してない。でも、“助けなかった”の」
美咲の瞳に、涙が滲む。
「だから、私はずっと嘘をついてた」