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クリオネ?
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第3話:トップアイドルの素顔
「あ、あの……ご丁寧にありがとうございます。宮舘と申します。こちらこそ、朝から大変失礼いたしました」
放心状態からどうにか復帰した涼太は、ペコリと深く頭を下げた。
目の前にいるのは国民的トップアイドルの目黒蓮だ。
サインをねだるわけにもいかず、かといってあまりに不躾にじろじろ見るわけにもいかない。
あまりの緊張に涼太の背中には冷や汗が流れていた。
「宮舘様ですね。……翔太くんとおっしゃるのですか?」
「え、あ……はい。翔太です」
目黒は涼太の胸元の抱っこ紐から顔を出している翔太に目線を合わせるため、スーッと綺麗に膝を折って屈んだ。
185センチを超える長身の男が、小さな赤ちゃんに対してどこまでも真摯で丁寧な姿勢をとる。
「翔太くん、びっくりさせてごめんね。怪我なくてよかった」
低く優しい声で話しかけられると、人見知りをしがちな翔太が「きゃっきゃっ」と声を上げて喜んだ。
小さな手を伸ばし、目黒のコートの袖口を掴もうとする。
「こら、翔太。めっ、でしょ」
「いえ、大丈夫ですよ。お気になさらないでください」
目黒は微笑むと、翔太の小さな手に自分の人差し指をそっと握らせた。
トップアイドルという華やかな世界に身を置きながら、その佇まいには奢りや慢心が一切ない。
それどころか、近隣住民である自分たちに対する配慮と礼儀正しさは完璧そのものだった。
「多忙なお仕事とお聞きしております……あ、いや、テレビで拝見しておりますので。くれぐれも、お気になさらず静かにお過ごしくださいね」
「ありがとうございます。宮舘様もお忙しい朝にお引き止めてしまい、大変申し訳ありませんでした。それでは、行ってらっしゃいませ」
目黒は立ち上がると、再び深々と頭を下げた。涼太は恐縮しながら何度も会釈を返し、逃げるようにエレベーターへと向かった。
保育園へ向かう道中、涼太の頭の中は混乱でいっぱいだった。
(本当に目黒蓮さんだった……。テレビのまま、いや、テレビ以上に素敵な人だったな……)
どれだけ世間から崇められても変わらない謙虚さ。
子供に向けられた温かな瞳。
涼太は胸の奥が少しだけ温かくなるのを感じながら、「でも、住む世界が違うのは変わらない」と自分に言い聞かせるように呟いた。
コメント
3件
んわ〜続き気になるな〜
うわ、第3話のこのシーン、すごく好きだな……。目黒蓮さんの「膝を折って翔太に目線を合わせる」って仕草だけで人柄が全部伝わってきたよ。トップアイドルなのに奢りが全然なくて、むしろ赤ちゃんにも一人の人間として向き合ってる感じが尊い……。涼太くんが「住む世界が違う」って自分に言い聞かせるところも切なくて、でも胸が温かくなるエピソードだった。続きが気になる〜🌙