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ネコの退屈
28
せいside
エンマ大王様が新しく就任した。
先代は隠居することとなったそうだ。
エンマ大王様は私が来るなり、駆け寄ってきてくださった。
「せい、久しぶりだな!」
エンマ大王様は私に明るい笑顔を見せてくださった。私はすぐに膝まづき、答えた。
「お久しゅうございます。エンマ大王様。」
“縛り”は継続中になっていた。
受け継いでくださったのだろう。
エンマ大王様は、私に何かを投げ渡してくださった。私は咄嗟にそれを受け取った。
私は手の中にある物を見た。
そこには、禍々しい紫色で、赤い文字で真ん中に王と記されたメダルだった。
「これでお前と友達だな!」
エンマ大王様が嬉しそうに、私に駆け寄って笑いかけてくださった。私は、エンマ大王様の方を見れなかった。
“縛り”の4つ目に該当する。
“友達妖怪”の印とするメダルを受け取ることをできるだけ無くすこと。
ぬらりひょん様は、すぐに気づいて私からエンマ大王様のメダルを取ってくださった。
ぬらりひょん様は私からエンマ大王様の“友達メダル”を取るのに苦い顔をしていた。
エンマ大王様は、笑っていた顔から表情が抜け落ちて、私を見た。
「なんで、なんでだよ!!!ぬらり!!!!」
エンマ大王様はぬらりひょん様に掴みかかった。犬まろや猫まろはエンマ大王様を抑えるためにエンマ大王様に縋り着いた。
「これが、呪術師で言う“縛り”です。エンマ大王。もし破れば、あなたは平気かもしれませんが結んだ彼女に呪い返ししてしまうことになります。」
ぬらりひょん様がそう告げると、エンマ大王様は力が抜けたようにその場に座り込んで、体育座りをして、膝に顔を埋めて、体を震わせていた。
「せい、今日はもう帰りなさい。」
「……はい」
ぬらりひょん様に言われ、私は頭を下げて膝を抱えて顔を埋めているエンマ大王様と背丈を合わせるように声をかけさせていただいた。
「エンマ大王様、失礼いたします。」
エンマ大王様は、私の手を掴んだ。
その力は痛くなかった。
「エンマ大王様?」
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