コメント
4件
やばいめっちゃ好き笑 続き待ってます!
猫ちゃんは誰かな〜?モフモフしたい羨ましいぞ。 続き楽しみです!!
どうも皆様、サカナです
リクエストが進まなくなっちゃったので、完全な暇つぶしで書きました
あわよくばシリーズカモシレナイ…
⚠️旧国
今日、猫を拾った。
ちっちゃくて薄汚れた白い子猫。
弱っていて見捨てたら気分が悪かったから、なんとなく拾った。
子猫用のミルクを購入して帰宅し、与えてから子猫と風呂に入って汚れを落とす。
結構美人なやつだ。
腹もいっぱいになったのか、私の膝上で丸まっている。
「猫も大変だな、美人なのに捨てられるとは。それとも親と逸れたか?」
「みゃーん」
「ふむ…さっぱりわからん。まあ、鳴けるくらい回復したなら、大して弱っていなさそうでよかった」
食事を与え、汚れは落とした。
もう夜も遅いから、明日あたり動物病院にでも行こう。
医学も少しかじっているが、動物は専門外なので。
「はぁ…今日は疲れた。おい猫、そろそろ退いてくれないか」
「みっ!」
「なんだ?この私の言うことが聞かないというのか?ったく…しょうがない猫だ」
猫を撫でていた手を猫の腹に回し、片手で持ち上げた。
成猫ではないから、簡単に持ち上がる。
「んにゃっ!?みっ、みっ…」
「ふっ…それが抵抗のつもりか?大人しく私に運ばれるんだな」
落とさないように少しだけ力を込め、毛の生えた腕を振る猫を抱く。
イタ王なら、かわい〜!とでも言って抱きしめるのだろう。
「なぁーん!」
あくびをしながら寝室への階段を登り、扉を開ける。
流石私、恐ろしく綺麗な部屋だ。
帰ってきていないだけとも言うがな。
「猫、お前はここで寝ろ。ブランケットと枕があればいいか?」
柔らかい椅子の上にブランケットと枕を敷き、猫を置こうとするが…
「…猫、その手を離せ。私の服に傷がつくだろう」
「に〜〜…」
どうしてか、私の腕から離れない。
短い爪を立てて、服にしがみつかれてしまった。
「はぁ…わかったわかった。ベッドは譲るよ、それでいいか?」
椅子に敷いていたブランケットたちをベッドの方へ寄せ、丸く整形する。
「これで満足か?」
それでもやっぱり腕から離れず、猫は唸るばかり。
なんだ、何が不満なんだお前は。
「夜も遅い、付き合っていられん。私はこのまま寝るからな」
「にゃん!」
猫に気を遣いながらベッドに横たわれば、猫は即座に私の腹部へ頭を突っ込んできた。
ブランケットと枕も引っ張ってきて、私の腹部で寝床を作り始める。
「お前なぁ…」
ため息をついて猫の背を撫でてやると、そのまま寝息を立て始めた。
「…まあいいか、たまにはな」
柔らかい白綿の塊を撫でながら、私は久々のベッドで目を閉じる。
明日の朝、猫を潰していなければ良いのだが。
ゆさゆさ、ゆさゆさと誰かが私を揺すり起こす。
「ん…だれ、だ…ふとどき、ものめ…」
「もう朝ですよ!アラーム鳴ってます!」
「あぁ…?あー…ぅん…」
自慢ではないが、私の寝起きは心底悪い。
イタ王が呆れるくらいには寝起きが悪かった。
なので、寝ないように徹夜で仕事していたのだが…流石に昨夜は疲れていたのか、アラームを何重にかけてもダメだったらしい。
まだ霞む視界でアラームを切ると、ようやく騒がしい音声は消え失せる。
「おはようございます」
「おはよう…」
なんとか覚醒した頭で、ぼんやりと昨夜の猫のことを思い出した。
が、その前に
「…お前誰だ!?!」
「えー、何言ってるんですか?私ですよ、私」
白い猫耳を生やした見知らぬ男が、私の隣に座り込む。
「貴様なんぞ知らないが?不敬なやつだ、処すぞ」
「あなたが拾ったんでしょう!本当にわからないんですか?」
「拾っただと…?私は昨日猫しか…」
「記憶あるんじゃないですか!」
太々しい態度、小さな体、なによりこの猫耳…
私は霞がかる頭で考え、一つの仮説に辿り着く。
「…まさかお前、あの子猫か?」
「その通りです!いやぁ、野垂れ死にかけていたところを助けていただき、ありがとうございました!」
…私は昨日、化け猫を拾った。