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15cmの身長差

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15cmの身長差

7 - 第7話

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2025年06月03日

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撮影が終わり、帰り道。マンションの部屋に着くなり、いふは靴もそこそこに初兎を抱き寄せた。


「……え、ちょっと落ち着いてって」


「無理。今だけは、誰にも邪魔されたくない」


玄関先。脱がせるように腕をまわして、首筋に唇を落とす。

初兎が小さく息を飲んだ。


「……さっきからさ、ずっとイライラしてた」


「なんで」


「初兎が他のやつに笑ってんの、見てるだけでムカついた」


「仕事なんだから仕方ないでしょ……」


「でも俺は“彼氏”だから、我慢すんの限界なんだよ」


言葉の熱に押されて、初兎はリビングの壁に背中を預ける。

そのまま、いふが額をくっつけてきた。目と目が、近い。


「……なあ、初兎」


「……ん」


「お前が誰かに見せる笑顔も、声も、全部俺だけにして」


「わがままだね、まろちゃん」


「初兎には俺しかいないって思わせて」


「……は?」


「全部、俺のもんにしたい。体も、心も、感情も、ぜんぶ」


言葉の一つ一つが、肌に直接触れるような重さだった。

照れとか、戸惑いとか、全部まとめて抱きしめられている感覚。


初兎はしばらく黙っていたけど、そっと、いふの胸に顔を預けた。


「……最初から、まろちゃんだけやって」


「……ほんま?」


「ほんと」


「もう一回言って」


「うるさい。……ほんとに、まろちゃんだけ」


それを聞いた瞬間、いふの腕の力がふっと緩んで、

今度はやさしく、優しく、キスを落とした。


「ありがと。ごめん。だいすき」


独占したい気持ちと、

独占されることに少しだけ安心している気持ち。


その両方が、そっと重なった夜だった。

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