ー知らない感覚ー
糸師凛:
「ここへ来い。」
(糸師くんからの短いメッセージ。)
(会場)
夢主(心の声):
「そう言われてやってきたのは、
とあるサッカーコート。」
「なにやら、糸師くんが出る試合があるらしい。」
(夢主、少し首をかしげる)
夢主(心の声):
「サッカー……やってたんだ……。」
「そりゃ、煽られたらムキになるわけだよね。」
(少し困ったように苦笑い)
「……もしかして、余計なこと言ったかな……?」
(夢主、観客席に腰を下ろしてコートを見つめる)
夢主(心の声):
「まぁでも純粋に気にはなる。」
「糸師くんがどんなサッカーをするのか。」
夢主(心の声):
「下手くそだったら、普段の鬱憤も込めてディスってやろう。」
(夢主、口元を歪めてほくそ笑む)
コートでプレーする凛の姿が映る
糸師くんのサッカーをする姿は――。
……あまりにも破壊的で、
そして……美しかった。
(観客が歓声を上げる中、
夢主はただ凛の姿を見つめる)
(描写:凛、相手ディフェンダーを翻弄しながらゴールを決める)
(凛がゴールを決めた瞬間、視線が交わる)
ゴールの瞬間……彼視線が交差した。
そのギラついた目は
『どうだ、俺のサッカーは』って
わたしに問いかけてるみたいだ。
(凛がニヤリと笑う。)
観客の歓声が遠くに響く中、
私は糸師くんから目を逸らせないでいた。
ふと、
ひとひらの雪が頬に触れる
夢主(心の声):
「……っ。」
「顔に冷たい感触が――。」
夢主:
「……寒い……。」
なぜだか
知っているはずの彼が、
知らない誰かのように見えた。
まるで、糸師くんが遠くに
行ってしまったみたいで――。
冷たい雪が頬をかすめるたびに、
胸の中にも雪が降り積もっていくような気がした。
寒い
夢主(心の声):
「こんな感情……私は知らない。」
ひんやりと胸の奥に残る違和感が、
妙に気持ち悪い。
それなのに激しく聞こえる心臓の音が熱を帯びて、
さらに私を追いたてる。
寒い、つめたい
くるしい
逃げたい。
そう思った私は、思わず立ち上がった。
夢主:
「ここから、離れなきゃなきゃ……。」
(描写:夢主が目をそらし、観客の人混みに紛れるように会場を後にする)
糸師くんに何も言えず、
私はただ背を向けた。
あとがき
絶対凛くんはマサイ族並みに、視力がいいので、
絶対気づいてくれます。
勘違いじゃなく目が合う男であってほしい。
無意識的に気になる子とか、目で追ってるタイプであっていただきたい。
切にそうおもいます。
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