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※kidがngoに恋する話
※そういうシーンは一切ありません
※シリアス(人によってはしんどいかも…?)
※流血表現
苦手な人は自衛お願いします🙇♀️
【第2話】
「けいっ…っ」
好きな人が、僕の膝の上で力無く横たわっている
透き通っていたグレーの瞳が光を失い、重苦しい灰色へと変わっていく
「今からでも…っ…回復を…っ!」
震える手を必死に抑え、集中する
「我が家名…っ甲斐田の…」
腕を掴まれる
成人男性とは思えないほどの、とても弱い力で
「だい……じょぶ………」
やだ…
「俺は……もう…」
僕の好きな人は…こんなこと言わない…!
「いい………から……………」
自ら未来をとざすような…こんなこと…!!
「いま…………まで…………」
やめて……!!!
「ありが………………」
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「ーっっは……!!!?」
「はっ……!!……はぁ……!!」
最悪…
またこの夢…
「はぁー……っ……」
「晴くん、最近顔色悪くない?大丈夫?」
「だいじょぶ…!全然……」
「まさか…また徹夜で論文書いたりしてないだろうね?」
「それは本当にないから!だからエナドリだけは…!」
「わかったわかった、別に没収したりしないよ」
「どんだけエナドリ好きなの…」
夢のことを話しても良かったけど、口にしたら本当になっちゃいそうで、怖くてやめた
僕の抱える気持ちについても、藤士郎に相談しようか迷ったけど、やめた
こんなこと言われても迷惑に決まってる
「ハルぅ〜?」
「ごめんッ!今行く…!」
名前で呼ばれるのが、嬉しかった
この気持ちを抱えたままそばに居続けるのは、胸が張り裂けそうで、苦しかった
でももし、これまでの関係が崩れて、もう今みたいな関係には戻れなくなったらと思うと
怖くて、勇気が出なかった
どれだけ親密だって、この気持ちを伝えたら、確実に今の関係にヒビが入る
傍に居れるなら、それでいい
崩れるぐらいなら、何もしない方がいい
【ガラス細工のように、脆い 】