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#ちゃのざき
かわそ🍼💙 ☁️💫
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D a i ©
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貸切風呂の入り口。
「今は岩風呂とひのき風呂が空いてるみたいやな!じゅう、どっちがええ?」
「うーん、ひのきかなぁ」
「ほな、ひのきの方から行こうか!」
扉を静かにスライドさせて開けると、美しく手入れされた庭園が見えた。
お風呂は、一度外に出た先にあるらしい。
風情のある石畳の道を、二人で並んで歩く。
木々の隙間からこぼれる光が美しく、秋の風が肌に心地よかった。
「ここやな。入ろか」
「すご……なんかテンション上がるね」
「なっ!はよ行こっ!」
「ひのき風呂」と書かれた木札の扉を開ける。
「うわぁ!!すっごいな、じゅう!!」
「やっばいね。最高じゃん!」
内側から鍵をかけると、廊下の「使用中」のランプが点く仕組みらしい。
「45分で交代らしいし、はよ行こ!」
「うんっ!!」
横目でチラリと彼の様子を伺いながら、急いで服を脱ぎ、タオルで体を隠す。
「行こか!」
そう声をかけて歩き出す彼の後ろを、そっとついて行く。
服の下に隠されていた彼の均整の取れた体軀は、今の僕の目にはきっと、毒だ。
そう判断し、視界の隅に入れないよう必死に努めた。
一歩、湯殿へと足を踏み入れる。
わぁ、すご。
立ち上るひのきの香りと、温泉の白い湯気。
秋の少し冷たい風と、カサカサと木々の揺れる音。
その全てが完璧に調和した、贅沢な空間だった。
そして、何より――舜太と、二人きりの時間。
「すっごいな!最高すぎるやろー」
「ねっ!贅沢すぎるよー!!」
僕たちは子供みたいに、分かりやすく声を弾ませた。
お湯で体を流し、さっそく温泉に体を沈める。
熱すぎず、ぬるすぎず、肌に吸い付くような丁度いい湯加減だった。
「はぁー……最高や……」
「あぁー、あったまる……もう本当に贅沢すぎる。幸せ……」
「ほーんま、幸せやなぁ……」
二人して深く息を吐き出しながら、ゆっくりと湯に浸かる。
本当に、幸せだと思った。
日頃の激務で限界まで疲れ切っていた心と身体に、その温かさがじんわりと、深く沁み渡っていく。
「北海道最高〜」
「ほんま、北海道さいこ〜」
「昨日まで、オフィスをバタバタ走り回って働いてたんが、今これやで?どうなっとんねんって話!」
「わかる、マジで天国すぎる〜」
お湯の熱で少し火照った顔を見合わせて、ふふ、と笑う。
「じゅう〜、ほんまありがとうな〜」
「いやいや、お礼を言うのは俺の方。こんな素敵なところ、見つけてくれてありがと」
「じゅうが喜んでくれて、ほんま良かったわ」
優しいひのきの香りに包まれながら、そんな他愛のない話を交わす。
湯気の向こうで眩しそうに目を細める彼を見つめながら、楽しかった時間はあっという間に過ぎていった。
「そろそろ上がる時間やね」
「あー、全然一生ここにいれるわ〜」
「いや、のぼせるわ!!」
「ふはっ、現実見せないでよー」
「ほら〜、はよ行くで〜」
「はいはい」
名残惜しいけれど温泉を出て、しっかりと体を拭き、浴衣に袖を通す。
さっき彼が選んでくれた、白地に紺のストライプの浴衣だ。
紺色の帯を腰できゅっと締める。
本当に似合っているのかなぁ、と鏡の前でしばらくにらめっこをしてしまった。
「じゅうー、帯ってこれで合ってるんかな?」
少し不安そうな声に、僕は鏡の前を離れて振り返る。
そこにいたのは、僕が選んだ紺色の浴衣を身に纏った彼の姿だった。
はぁ、モテモテじゃん。
みんな大好き曽野くんじゃん、そりゃあ女性社員に大人気なわけだわ、と心の中でため息が出る。
普通に眩しすぎて、直視できない。
そんな風に頭の中で永遠に文句を唱えていると――。
「じゅう!!!!イケメン過ぎやろ!!そんで可愛すぎやろ!!!!あぁ失敗した……もっと目立たないのにするべきやった……。あぁ、俺の柔太朗がぁー、いややぁーー」
「……は?」
は?
いや、本当に、は?
色々と突っ込みどころがありすぎる発言に、僕は目を限界まで見開いた。
「しゅん、大丈夫?頭……のぼせた?」
「冗談言っとる場合ちゃうねん!!!ほんまあかんわ!!みんなに見られてまう……舜太大ピンチや……」
両手で顔を覆って絶望している。
もはや僕をいじっているんじゃないだろうか。
でも、本当に――。
「……しゅん、浴衣似合うね」
「んえっ?……あ、ありがとう……」
僕が静かに呟くと、彼は急に大人しくなった。
さっきまで大騒ぎしていたのに、情緒はどうなっているんだ。
「あーもう、じゅうちゃん!!俺のそば離れたらあかんで?」
「いや、まあ、うん」
別に普通に二人で旅行に来ているのだし、別行動する予定もない。
別に、離れるわけないでしょ、と思う。
「しゅん、はやく出よ。時間になるよ?」
「じゅう……あぁもう……じゅう……」
あまりの項垂れように、おかしさが込み上げてくる。
「ほら!!行くよ!」
僕はふっと笑いながら、彼の浴衣の袖をぐいっと引っ張って歩き出した。
後ろをとてとてとついてくる彼が、なんだか愛らしい。
犬の散歩みたいだな、なんて呑気に考えていた。
その時だった。
浴衣を掴んでいた僕の手の上に、しゅんの手の温かさが重なった。
かと思えば、彼は一瞬のうちに僕の指の隙間に自分の指を滑り込ませて、しっかりと手を繋ぎ直してきたのだ。
本当に、油断も隙もない。
でも、なんだか――まあ、いいか。
僕はその手を振りほどくこともしなければ、振り返ることもしないまま、繋がれた手のひらの熱をじっと感じながら、ただ静かに前を向いて歩いた。
to be continued………
コメント
2件
2人ともピュアでかわいすぎるし焦ったい距離感が好きです!!あとお互い分かってない感じがすごく自然なのもよくて、ずっと見守りたくなります😣💕