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#ちゃのざき
かわそ🍼💙 ☁️💫
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D a i ©
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時刻は16時30分。
チェックインの時にもらった館内案内を見る。
ロビーの付近に「お茶バイキング」というものがあるらしい。
「ねぇしゅん、このお茶バイキングっていうやつ、行ってみたいんだけど」
「お! ええやん、どんななんやろ」
ちょうど、貸切風呂から部屋に帰る途中にあるみたいだ。
案内に従ってしばらく廊下を進むと、それはすぐに見つかった。
緑茶や紅茶などの一般的なものから、出汁茶や梅ほうじ茶、フルーツフレーバーのお茶など、和洋様々なお茶が十種類ほど並んでいた。
「すごいじゃん。僕、出汁茶にしてみる」
「お、珍しく即決なんやな」
だって、出汁茶なんて聞いたことがなかったし、すごく美味しそうだったから。
ちなみに、彼はコーン茶にしたらしい。
「北海道といえば、とうもろこしやろ!」
などと、これまた得意げな顔で言っていた。
ブースの奥に進むと、のんびり寛げそうなソファとテーブルがあったので、そこで飲んでいくことにした。
二人並んで腰掛け、温かいお茶を口に含む。
ほっと息が漏れた。
時間が、ゆっくりと流れていく。
まるでどこか別世界に迷い込んでしまったような、そんな静かで心地いい気分だった。
「なぁじゅう、高校の時の俺って、どんなだったか覚えてる?」
お茶の湯気の向こうから、急にそんなことを聞かれた。
あの頃の彼――。
勉強もスポーツもいつも学年で一番だったし、誰にでも優しいものだから、男女問わずみんなの人気者だった。
おまけに三年間ずっと学級委員長をしていたこともあってか、先生たちからの信頼も厚かった。
何より、あの顔だ。
高校の頃から背が高かったし、それはもう、文句なしのイケメンだった。
良いところを全部乗せした、漫画の主人公みたいな人。
つまり、僕の中から出てくる言葉をざっくりまとめると……。
「まあ、なんていうか。リア充野郎、ってところ?」
頭に浮かんだ結論を、そのままストレートに伝えた。
「えー、全然そんなことなかったんやけどなぁ」
「嫌味かよ」
「でも、傍から見たらそう見えてたかもなー」
「腹立つなぁ」
「……そうよなぁ」
しゅんがぽつりと呟いた。
なんだか思っていた反応と違い、少しだけ寂しげなニュアンスを帯びた気がして、若干焦った僕は慌てて軌道修正に取り掛かる。
「でもさ。僕たちクラスも一緒だったんだから、もっと早く仲良くなりたかったな、とは思うよ」
「そうやなぁ。でも、あの時の俺はさ……情けない話やけど、自分のことで精一杯だったんさ」
少し、お茶のカップを見つめる彼の視線が落ちる。
「なに? 勉強に部活に、彼女に大忙しで?」
わざと茶化すように言うと、彼は困ったように眉を下げた。
「嫌な言い方やな〜。でも、俺なりに精一杯、頑張ってはいたんよ」
「そっか。そりゃあそうだよな。今の舜太を見てたら、あの頃も相当努力してたんだって分かるよ。本当に偉いよ」
僕が本心を言葉にすると、彼はハッとしたようにこちらを見た。
「ふふっ、フォローありがとな〜!」
そう言って、いつものように嬉しそうに、にこっと笑った。
「よしっ! 一旦部屋戻ろうや」
そう言って立ち上がる彼の、広い後ろ姿を追いかけた。
部屋に戻る途中、さっきの彼の少し寂しげな反応がどうしても気になって、僕はぼんやりと高校時代のことを思い返していた。
交わることのなかった、あの頃の僕たちの記憶。
その霧をかき分けるように記憶を辿るうち、一つだけ、鮮明に思い出したことがあった。
高校1年の、夏の終わり頃だったと思う。
僕は昼休みになると、毎日のように学校の屋上へ行って一人で過ごしていた。
その日もいつも通り、風の通り抜ける屋上で横になって昼寝をしていた。
すると急に、階段を激しく駆け上がる足音が聞こえてきた。
先生に見つかったら面倒だと思い、僕は慌てて物陰に身を隠した。
バタン、という大きな音を立てて鉄扉が開く。
切羽詰まった様子の男子生徒がひとり、眩しい陽光のなかに飛び出してきた。
それが、しゅんだった。
あの時の彼の顔は、苦しそうで、悲しそうで、何かを酷く思い詰めたような表情をしていた。
教室でいつも見せる、太陽みたいな元気な彼とは、まるで別人だった。
たぶん、泣いていたのだと思う。
屋上の柵にしがみつくようにして、遠くの空をじっと見つめる彼。
それから、隠れていた僕はどうしたんだっけ……。
「じゅう?どうしたん?難しい顔して。部屋入らんの?」
気づけば目的の客室の前に着いていた。
ドアを開けて待ってくれている彼が、僕の顔を心配そうに覗き込んでくる。
その顔が、さっき脳裏に蘇った高校生の彼の姿と重なって、僕は無意識に言葉をこぼしていた。
「ねぇ、高校1年の、屋上のこと覚えてる?」
「……ぇ、」
しゅんの瞳が、僅かに揺れた。
一瞬にして表情が強張り、声が、空気が、凍りつく。
その反応を見た瞬間、僕は聞いてはいけないことに触れてしまったのだと、激しい後悔に襲われた。
「なんでもない!入ろ!」
慌てて声を張り上げて誤魔化し、僕は彼の横をすり抜けて部屋に滑り込んだ。
さっきから、僕はやらかしてばかりだ。
いつもみたいに普通に接したいのに、何だか僕たちのあいだの歯車が変な風に噛み合ってしまっている。
しっかりしないと、自分。
to be continued……..
コメント
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一気読み失礼します!!続きがめっちゃ気になりすぎます!!