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、どれくらいの、時間が経ったのだろうか。
”なんで今なんだよ”、とか”心配してくれたんかな”、とか”あの子のことが好きなくせに”、とか、そんなことばかり考えてしまう。
・・・”俺のこと、好きじゃないくせに”
無駄な期待なんてさせないでほしい。
いつもいつも、期待しては、裏切られた気持ちになるのだから、
、これ以上、俺を惨めにしないでくれ。
友達同士であれば、当たり前に、よくあるような、あんなメッセージにすら色々な感情が湧いてきて、それがぐちゃぐちゃになってしまっている。
・・・それでも、ちゃんと返信しなきゃいけない。
だって、”奏斗に嫌われたくないから”
本当に嫌気が差してくる。こんな状態になってもまだ、アイツのことが好きなんだから。
「、なんで、俺じゃないん、?」
思わずそんな言葉が溢れる。
掠れていて、弱っている声。
自分の喉が震えていなければ、自分から発された声だなんて気づかなかっただろう。
泣くのを堪えるように、下唇を薄く噛みながら、奏斗とのトーク画面を開く。
『”大丈夫ー?ゆっくり休めよー”』
・・・こんな、たった二文でも、”嬉しい”なんて思ってしまう。
なんて単純なんだろうか。
気持ちがこもっていなくたって、こんな二文書けるというのに。
”なんて返そう”、”スタンプの方がいいかな”なんて、考えてしまう。
いつも通りの文章、ってなんだっけ、
アキラやセラおとのトーク画面を開いて確認して、書いてみる。
「”全然大丈夫!心配させてごめん!”」
そこまで書いて、 心配はしてないんじゃないか、なんて考えて、消して。
「”全然大丈夫! ”」
もういっそのことこれだけでもいいんじゃないか、なんて考えては、流石に少なすぎるんじゃないか、素っ気ないかな、拗ねてるみたいかな、なんて、また送信の手が止まってしまう。
「、っはぁ〜・・・」
あ”〜〜〜しんどい、今こんだけ一生懸命考えても、今後どんだけ考えたとしても、奏斗は俺のこと、相棒としか思わないんじゃないか。
あぁ、もう、こんなやつに、こんなやつ、こんなッ・・・
・・・こんなことなら、お前になんて、恋したくなかったよ、奏斗
ピンポーン
「ッも、ぅ誰だよっ、、」
ヤケクソになって、スマホを閉じて、モニターも確認せずに玄関まで行き、ドアを開ける。
「、ッすんませんけど、また今度にっ、〚ひばー!〛」
ドアを開けた瞬間、奏斗と同じ色の”彼女”が飛びついてくる。
「・・・、っは、?、な、ん、 」
〚・・・えっ!?なんではこっちのセリフなんだけど!!どーしたの?〛
・・・カナだ。
なんかあった?大丈夫?、なんて、俺からパッと離れて、焦ったように手をわたわたと動かしながら、とてもあわあわした心配を滲ませた顔で、そう問いかけてきた。
・・・カナが、わかりやすいだけなのだろうか。
、兄妹であっても、こんなにも違う。
奏斗は、こんな風に心配してくれなかッ、、
それが脳裏を過ぎった瞬間、蓋を開けたように涙が溢れだす。
〚えええ!!だだだ大丈夫??・・・あ!!まって、カナ今暑くてハンカチ濡らしてきちゃったからビショビショ!!あーもう!なんでこんな時に限って暑いワケ〜!!〛
あ!そうだ!ティッシュ!えーもうカナどこ入れたっけな〜!!なんて、さっきよりも慌てたような様子で、カバンの中をガサガサと探している。
落ちてる、落ちてるよ。
リップも、筆箱も。
そのことに気づかないぐらい、心配してくれているのだろうか。
それはちょっと、優しすぎるんじゃないだろうか。
「・・・、っふは、カナ、落ちとるよ」
そんなカナを見てると、俺は自然と笑顔になっていて。
〚そんなもの後ででいーの!替えがきくんだから!〛
”〚ひばの方がよっぽど大事でしょ!〛”
、落ちていることに気づいていた上で探してたのか。
そのリップ、前に”オキニなんだ〜”って、楽しそうに見せてきたやつやろ。
、本当に、なんでこんなに、優しいんだろうか。
「、もう大丈夫やって!ほら、まだ時間あるし、学校行きな?」
〚えー、ヤダ!てかもう行くには行ったし!〛
「は、ぁ、?、”ヤダ!”って、なんでだよ」
〚カナは今日サボりたい気分なの〜、だから〜2限終わった後カフェ寄ってさ〜!今帰ってる途中だったってワケ!〛
「、じゃあ家帰ればよくね?」
〚えー冷たい!だって家いてもやることないしな〜〛
暇なんだよね〜。なんて言った後、カナは、あ、そうだ!なんて子どもが悪戯するような顔で
〚ね、匿ってよ〛
なんて、楽しそうに笑いながら言い放った。