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🖤夢小説:『お前は逃げられない』続き — 「刻印のように」
「嫌……もうやめて、無惨さま……お願い、ほんとに……っ」
涙で濡れた声が、薄暗い部屋に響く。
あいの身体は壁際に追い詰められ、逃げ場など最初からなかった。
無惨は、ゆっくりとあいの前に膝をつく。
そして、何の躊躇いもなく、白い首筋へと顔を寄せた。
「……刻んでやろう。お前が、誰のものかを忘れぬように」
「えっ……?」
その言葉の意味を理解した瞬間だった。
バリッ——
柔らかな皮膚に、牙が食い込むような感覚。
まるで獣のように、無惨はあいの首筋に噛みついた。
「……っっ……ああっ……!!」
鋭い痛みが脳まで響き、声が漏れる。
それは血を吸われるものではなく、“支配の印”を刻むような、異常なほどの執着。
噛まれた箇所からじわりと血がにじみ、そこへ——
「……ふふ……ここが、一番敏感なのだな」
無惨の舌が、ゆっくりと血を舐め取るように這う。
舐めて、吸って、また軽く噛み付いて。
嗜虐的な愛撫が続く。
あいは震えながら、必死に涙をこらえた。
でも、無惨の指が顎を持ち上げ、無理やり視線を絡ませてくる。
「泣いても逃げても、無意味だと教えただろう?」
「……お前の身体には、私の印がついた。誰にも奪わせん」
「こ、これ以上は……やだ……っ、お願い……」
「……誰か……助けて……」
無惨の目が細くなり、冷笑が浮かぶ。
「誰か? “誰”とは? ……誰が、私のものを取り戻せるというのだ」
そのまま、彼の唇がまた首筋に触れた。
軽く吸うたび、じわりと痣のように紅が広がっていく。
あいの身体は、恐怖と羞恥と絶望の中で、ただ震え続けた。
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