テラーノベル
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その日の練習後。
二人は、いつものように並んで休んでいた。
達宣は今日、何度も祐希の隣に来た。
休憩のたびに話しかけて、少し離れた場所にいても、気づけば近くにいる。
祐希は、そのたびに内心で喜んでいた。
けれど、表面上はいつも通り。
達宣が隣に座れば場所を空ける。
話しかけてくれば、ちゃんと顔を向ける。
疲れていそうなら、飲み物を渡す。
特別なことは何もしない。
達宣が安心して近づけるように。
「……祐希さん」
「ん?」
「今日、俺、うるさくないですか?」
祐希は少し考えてから答えた。
「全然」
「ほんと?」
「うん。むしろ、いっぱい話せてうれしいよ」
達宣は、また顔を赤くした。
「……もー……」
「何?」
「……祐希さん、ほんと、ずるい……」
祐希は小さく笑った。
達宣は少し黙ってから、そっと祐希の肩に頭を預けた。
祐希は、動きを止めた。
……これは。
今日、何度目の不意打ちだろう。
達宣は、頭を預けたまま小さく呟いた。
「……ちょっとだけ、こうしてていいですか?」
祐希は、すぐに答えた。
「もちろん」
それから、いつも通りの声で付け足す。
「好きなだけどうぞ」
達宣は顔を伏せた。
「……っ、そういう言い方……!」
「嫌だった?」
「嫌じゃない、です……」
むしろ、うれしい。
うれしいから、困る。
達宣は祐希の肩に額をこつんと当てた。
「……ほんと、好き……」
小さな声だった。
祐希は、一瞬息を止めた。
「……大塚?」
「……あっ」
達宣が固まる。
今、自分は何と言った?
(……好き、って言った?)
言った。
確実に言った。
しかも、本人の顔を見ずに。
「……ち、違っ、いや、違わないけど……!」
言い直すほど、どんどん恥ずかしくなる。
祐希は、もう笑みを隠せなかった。
「……うん」
「……うん、って……」
「俺も好きだよ」
達宣は、祐希の肩に顔を埋めた。
「……もうやだ……」
「嫌?」
「嫌じゃないです…!もぉ……」
「そっか」
祐希は、そっと声を落とした。
「……じゃあ、もうちょっとこうしてようか」
達宣は、こくんと頷いた。
二人はしばらく、そのままでいた。
祐希は、達宣の頭が自分の肩に乗っていることを感じながら、静かに笑っていた。
昨日まで、自分の気持ちをどこまで伝えていいのかわからなかった。
嫉妬したことを言えば、達宣を困らせるかもしれない。
もっと一緒にいたいと言えば、重いと思われるかもしれない。
そんなふうに考えていた。
でも、達宣は今日、自分から近づいてくれた。
昨日の言葉を覚えていて、うれしかったと伝えてくれた。
そして今、こうして肩に寄りかかっている。
祐希は、その重みを大切に受け止めた。
(……幸せだな)
本当に、そう思った。
しばらくして、達宣が小さく声を上げた。
「……祐希さん」
「うん?」
「……明日も、隣にいていいですか?」
祐希は、思わず達宣の顔を見た。
達宣は、恥ずかしそうにしながらも、ちゃんとこちらを見ていた。
祐希は、優しく笑った。
「……明日も、その先も。いつでもおいで」
達宣は、一瞬だけ目を丸くして。
それから、今まででいちばんうれしそうに笑った。
「……はい!」
その返事を聞いて、祐希は思った。
もう、嫉妬しないとは言えない。
達宣が大好きだから、きっとこれからも、少し寂しくなる日はある。
でも、そんなときは、ちゃんと伝えよう。
達宣を縛るためじゃなくて。
自分が達宣と一緒にいたいと思っていることを、少しずつ知ってもらうために。
そして、達宣が自分から近づいてくれるたびに。
何度だって、うれしいと思おう。
祐希は、肩に寄りかかる達宣を見て、もう一度だけ小さく笑った。
「……たつのり」
「……はい?」
「今日、いっぱい甘えてくれるね」
達宣が、ぴたりと止まった。
「…………っ!!」
「嫌じゃないよ」
祐希は、すぐに付け足した。
「すごくうれしい」
達宣はしばらく固まっていたけれど、やがて、諦めたように祐希の肩へ顔を埋め直した。
「……じゃあ、もうちょっとだけ……」
「うん」
祐希は、静かに頷いた。
「もうちょっとだけ、ね」
その「もうちょっと」は、きっと明日も続いていく。
二人とも、それをまだ知らないふりをして。
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Haruです
バタバタしてて、いつもより遅くなってしまいました…!
もうすぐ、っていうか、あと1話で完結です!
ここまで、読み続けてくれた皆さん、ありがとうございます!
コメント
2件
まってあと1話で完結ですか⁉️⁉️ちょっと寂しすぎるかも🫠🫠毎日更新ほんとにありがとうございます🙇🏻♀️🙇🏻♀️ Haruさんの書き方がほんとにだいすきなんでほかのペアも待ってます🙏🏻🙏🏻あ無理はしないでください‼️‼️
憂海歌
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Haru
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心
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