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俺とアイツの好きが違ってた。俺のアイツ…照に対する好きは恋愛感情。
それこそ付き合いたいと思ってたし、ワンチャンあるかなって思ってた。
でも、実際、照の俺に対する好きは友情または兄弟に向ける愛情みたいなものだった。
周りから夫婦なんてもてはやされるし、結婚したいメンバーは?って質問に俺って答える照に俺のこと好きなんだろうなって思ってたんだ。
今思えば、痛いヤツだよね、俺。
照から好きな人が出来たから相談にのって欲しいて言われた時は地獄に落とされた気分だった。
俺じゃなかったのかって。
でもさ、そんなの言えないじゃん。
照の前では親友の恋愛相談を真剣に聞くイケメン深澤辰哉で居たいじゃん。
だから親身に相談にのってたんだ。アドバイスもして。
そしたら、上手くいっちゃったんだ、付き合っちゃったの、阿部ちゃんと。
そっかぁ、阿部だったかあ。
明確に相手が誰とか聞いてなかったから、ちょっとビックリした。
後から相談されたことを思い返してみれば阿部ちゃんが当てはまるわ。
「はあ、何で俺じゃないんだよう…」
今日は久しぶりに仕事が早く終わって、明日はオフ。
お酒買い込んで、家に帰ってきて、出前頼んで、1人でヤケ酒中。
強くもないのに。
ああ、何だか寂しくなってきた。
康二、康二も明日オフだって言ってた。
康二を誘って康二んちで美味しいご飯作ってもらって夜通しゲームしよ!
自分の家は嫌だ。
康二は事情を知ってるから、きっと迎えに来てくれるだろう…
『失恋中のおれをなぐさめろー寂しくて死んじゃうわら』
『家連れてって!飯食わせろーゲームさせろー俺んちに迎えに来てー』
『えっ?失恋?ふっかさん、酔ってるの?大丈夫?解ったから、ちょっと待ってて。』
康二にメッセージを送ると直ぐに既読がつき返信してくれた。
返信早くて助かる。良かった。1人にならなくてすみそうだ。
あれ、でも康二にしては文章が…
まぁ、気のせいか…
気のせいじゃなかった。
インターフォンが鳴り、康二が来たと思って、モニターに目を向けるとそこに居たのは
めめだった。
「えっ、めめ?!何でっ!?」
「ふっかさんが家に迎えに来てって言ったんでしょ?」
「えっ、俺…ちょっと待って!」
慌てて、メッセージを確認する宛先に目黒蓮の名前が…
あ、やらかした…間違えて康二じゃなくてめめにあんな恥ずかしいメッセージを送っていた。
「ごめん、めめ、間違えた。康二にメッセージ送ったつもりがめめに送ってたみたい」
「はあ…そんな気はしたけど、心配だったから迎えに来た。とりあえず、中に入れてくれる?」
「ごめん!今、開ける!」
直ぐにドアを開けてめめを中に入れる。
リビングに通し、ソファに座ってもらった。
「めめ、ごめんなー。忙しいのに」
「ううん、大丈夫。急遽、明日の撮影が無くなってオフになったし。」
「あの、えとその…」
なんて説明したらいいだろう…
メッセージでは失恋中とか送ってしまったし。
「ふっかさんさぁ、失恋したって本当?」
「あ、え、あ、あ、それは…」
「もしかして、岩本くん?」
何で!?そこドンピシャで当ててくるのさ。
康二にしか言ったことないのに。康二には相談したりしてたから。
「……えっ…その…」
すぐに言い返さなきゃ認めることになるのに全然言葉が出てこない。
「ふっかさんが岩本くんのこと好きなこと気付いてたよ。だから隠さないで」
「あぇ、何で…康二しか知らないはずなのに…」
「ふっかさんのことずっと見てたから。好きな人のことは気になっちゃうでしょ」
えっ…今…好きな人って言った?
どういうこと…
「好きな人ってどういうこと…」
「そのままの意味だよ。俺がふっかさんのこと好きってこと。好きだよ、ふっかさん」
しっかり、俺の目を見て好きって言われた途端に身体中が熱くなり、その熱が顔に集中する。
「首まで赤くなっちゃって可愛いね、ふっかさん」
「みっ、見るな!」
恥ずかしくなって両手で顔を隠す。顔が熱すぎてクラクラしてきた。
「何で?可愛いふっかさん、もっと見せて」
そう言うと、めめが俺の両手を掴んで半ば無理やり顔から引き剥がして、まじまじと見つめてくるから俺は俯くしかない。
「ふっかさん、俺と新しい恋を初めませんか?」
俯いた俺の顔を覗き込んで、優しく微笑む、めめ。
ダメだ…こんな顔で見つめられたら…断れない。俺はめめの顔に弱い。
でも、失恋したばかりで虫がよすぎるのではないか…
「でも…」
「ん?失恋したばかりなのにとか思ってる?」
「うっ…」
お見通しかよ…
「大丈夫、直ぐに付き合うとかじゃないから。まずは俺の家にお泊まりすることから始めない? 美味しいご飯作るし、一緒に朝までゲームもするよ」
それは今の俺が望んでたことじゃん。
流されちゃダメだって解ってるのに…
「駄目かな、ふっかさん?」
そんな首を傾げてキュルキュルな目で見んなよう…断れないじゃんか…
もう一度言う、俺はめめの顔に弱い…
「解った…そうする…」
俺は頷くしかなかった。
続かない…笑