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そしてその“数ヶ月”の彼、シウルの話をしよう。

彼は国王が死んでからというもの、あることを決意した。それは魔法を手にすることだった。だけど、それは不可能、0に近いこと。

生まれた時から魔力を持っていないものには魔法なんてあり得ない話。でも、それを彼は絶対に手にしてみせると言い放った。

それから毎日修行を重ねに重ね、最終的には宮廷魔術師に魔力を備えさせる魔法を使わし、シウルは今までの修行の成果もあってかその魔法が呪いのように解けなくなった。

つまり、彼はその世界で初の事を成し遂げた者となり崇められた。

それから彼は毎日毎日、魔力を貯めていった。

いつか、サリアに会うために。


だが、サリアはもう既に寂しさの限界となっていた。手紙を読んで満たされてもそれは一瞬だけ。それに彼女にとってこの世界は彼がいないと意味がないものだった。

そして彼女は決意した。

この世界から消えると。

それからの話は言わなくても分かるだろう。何故人間の世界と、この不思議な世界の時空を繋ぐ穴が開いたのか。

そう、彼女が作ったのだ。

彼女の力は半端ではない。そうして彼女サリアは人間の世界へと行き、そこで彼女は身分や全てを取り繕い生き始めた。

そして、その数年後彼女は結婚をした。娘が1人でき、その子には魔法の匂わすものは見つかることは何故かなかった。

そしてまた、10数年後。娘に子どもができ孫ができた。それがアリンだった。

こんな幸せな時に、その生活が一変することが起きることとなった。

そう、シウルがサリアの目の前についに現れたのだ。

シウルは今のサリアの状況を見た瞬間、絶望と失望が頭の中を過った(よぎった)。

『サリア…何で俺以外のやつと…しかもなんでこんな世界にいるんだ…?』

『俺がどれだけ苦労したか…今まで、』

どんどん声色は冷たく変わっていく。

サリアはこの時、一瞬の判断で“真っ白”の世界を作った。

その世界では、サリアは若かりし頃の姿に戻っていた。まだシウルと共にいたときの姿だった。

『…ごめんなさい。だけど、私は後悔していないわ。寂しかった。貴方はもう現れないと私は心のどこかで思ってしまった。あの、半年の間、私はひたすら静かにあの場所で過ごした。私だって苦労したのよ』やるせない思いがサリアの中には募っていた。

『それでも、ちゃんと迎えに行くと言ったはずだ…仕方がない、“お前”がもう俺の元にいないというのなら、お前の1番大切なものを殺してやる』その言葉には動揺のカケラもなかった。

そしてその時サリアは感じた。

このままでは孫、アリンが危ないと。

サリアは一瞬で真の姿に変わり、防御の魔法を使おうとしたが間に合わなかった、


そうして彼シウルはアリンに“傷”と呪いをかけたのだった──────。


時計の名前は“シウル”

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