テラーノベル
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受験日午前8時、小走りで受験者・志村転孤が雄英の門を潜った。 結局オールマイトから授かった力を試す暇もなく、受験当日が来てしまった。オールマイトに少なからず助言はもらったがやはり不安ものなのだ。
転孤が小さく深呼吸して心を沈めようとした時だった。
「ぎゃっ!」
後ろから誰かの小さく高い悲鳴が聞こえた。振り向くとそこには一人の小柄な少女が倒れていた。
「いったたぁ…」
どうやら足を絡めて転んだようだった。 ゆっくり体を起こす少女に転孤が手を差し伸べる。
「…大丈夫かよ」
少女はパチクリと大きな目を見開いて転孤を見上げた。しばらくじっと転孤を眺めていた少女だったが、ハッと我に帰り、
「大丈夫なのです!ありがとう!」
と元気よく返事をし、転孤の手を借り立ち上がった。
「緊張でボーっとしていたら転んでしまったのです!」
足についた汚れを手で軽く払い落としながら明るい声でそう述べた。とても緊張しているようには思えない声色だがしっかり緊張しているらしい。
「お互い頑張りましょう!それじゃ、バイバイ〜!」
顔を上げて転孤を見つめては、にっこり笑って建物の中に入っていった。
「…マイペースなやつだな…」
転孤はゆっくり校舎に歩み出すのだった。
「受験生のリスナー!!今日は俺のライブにようこそ!!」
視聴覚室のような大きいホールの壇上で一人の男に光が集まる。
「エビバディセイヘイ‼︎!」
静寂が響き渡る。
「…コイツはシビぃ〜…」
叫んだ男ーープレゼントマイクは静かに震えていた。
「なら受験生のリスナーに、実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!」
またプレゼントマイクは叫ぶ。
「アーユーレディ!?」
「YEAHHHH!!」
またもや静寂。
うるせえ教師だな…なんて転孤は思った。転孤は特別ヒーローが好きなわけでもないし、トップ10に入るほどの一流ヒーローくらいしか知らなかった。雄英に行っても知ってるようなヒーローがいることはそうないだろうと思った。
実技試験の内容はよくあるゲームのような設定でわかりやすいものだった。それぞれ振り分けられているポイントの違う仮想敵〈ヴィラン〉を倒し、より多くのポイント取得を目指すと言うものだ。その中には一つ、0ポイントのおじゃま虫的な存在の仮想敵〈ヴィラン〉も存在するらしい。敵〈ヴィラン〉をよく選んで冷静に戦うことが必須になってくる。また転孤の頭に不安が一つ増えるのだった。
「最後にリスナーへ、我が校〈校訓〉をプレゼントしよう」
説明が一通り終わり、プレゼントマイクが述べる。
「かの英雄、ナポレオン=ボナパルトは言った!《真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えて行く者》と!」
「更に向こうへ!ーPuls・Ultra!」
空気が震え、肩が震える。それは恐怖からなどではなく、未来への大きな希望だった。
「それでは皆、良い受難を。」
大きな希望を胸に、転孤は今、スタートラインへ向かい出した。
コメント
3件
トガちゃんとお茶子ちゃんが反転してる!!ってことは、焦凍は荼毘かな、、?今回も絵、上手すぎ〜!!続き楽しみに待ってます!