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仁人side
今日は、グループでの雑誌撮影。
今回は二人、もしくは三人でペアを組み、撮影を進めていくことになっていた。
勇斗と柔太朗のペア。
そして、俺と太智、舜太の三人。
最初に撮影を始めたのは、勇斗と柔太朗だった。
俺たちは少し離れたところから、二人の撮影風景を眺めている。
監督「二人とも、もっとくっついて!佐野君は山中君の肩に顔を乗せる感じで!」
指示を受けた二人は、自然な動きでさらに距離を縮めた。
勇斗が柔太朗の肩に顔を寄せ、柔太朗も楽しそうに笑っている。
その姿は、まるでずっと前からそうしていたかのように自然だった。
監督から次々と指示が飛び、そのたびに二人の距離は近くなっていく。
肩を寄せ合い、顔を近づけ、時折楽しそうに言葉を交わす。
そんな二人を見ていると、胸の奥がなぜか落ち着かなかった。
やがて二人の撮影が終わり、俺たちの番になる。
監督「じゃあ、吉田君を真ん中にして、右に塩﨑君、左に曽野君で立って撮ろう!」
仁人・太智・舜太「分かりました!」
指示された位置につき、撮影が始まる。
カメラの前では笑顔を作り、いつも通りに振る舞う。
けれど、視線は何度も隣の休憩スペースへと向かってしまった。
勇斗と柔太朗。
撮影を終えた二人は、並んでモニターを確認しながら楽しそうに話している。
その様子を、俺はまた目で追っていた。
すると、柔太朗がふいに勇斗の耳元へ顔を近づけた。
何かを囁いたらしい。
何を言ったのかまでは聞こえなかったけれど、その直後、勇斗が少し照れたように笑うのが見えた。
仁人「……っ」
胸の奥が、きゅっと締めつけられる。
どうして、こんなにも気になってしまうんだろう。
太智「吉田さん? 大丈夫か? 顔色悪いで」
気づけば、太智が心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。
仁人「ん? 大丈夫、大丈夫。ちょっとぼーっとしちゃっただけ」
できるだけいつも通りに笑ってみせる。
太智「ふーん……ならええけど」
太智は少し納得していないようだったけれど、それ以上は何も聞かなかった。
その後、どうやって撮影を終えたのか、あまり覚えていない。
気づけば、俺たちは控え室へと戻っていた。
控え室
ソファに腰を下ろし、ぼんやりと天井を見上げる。
さっき見た光景が、何度も頭の中に浮かんでは消えていった。
勇斗の肩に顔を寄せる柔太朗。
耳元で何かを囁く柔太朗。
それを聞いて、照れたように笑う勇斗。
仁人(……勇斗は、柔太朗のことが好きなのかもしれない)
そんな考えが、ふと頭をよぎる。
仁人(柔太朗も……勇斗のことが好きだったりして)
考えたってしょうがない、根拠なんてなし。
そもそも、俺には関係のないことだ。
そんなこと、分かっている。
分かっているはずなのに。
どうしても、二人の姿が頭から離れない。
胸の奥に広がる、言葉にできない痛み。
それを誤魔化すように、俺はゆっくりと目を閉じた。
仁人(……考えたって、無駄なのに)
そう思いながらも、俺はその考えを止めることができなかった。
コメント
1件
うわあ、仁人の胸の内が痛いくらい伝わってきました……。柔太朗と勇斗の自然な親密さを目の当たりにして、自分でも理由がわからないままざわつく感じ、すごくリアルでした。「考えたって仕方ない」と分かっていても頭から離れない、そのもどかしさがタイトルと完璧に響き合っていますね。視点が仁人に固定されているからこそ、読者も一緒にその苦しさを体験できる構造が巧みだと思いました!