※ジンくん視点です。
「…ねぇ、ホバ」
「ふぁい〜?」
「眠そうにしてるとこ悪いけど…そろそろ腹を決めないとじゃない?」
「腹を決める…もうお腹はいっぱいです」
「そっちの腹じゃない。……いつまで、メンバーのままでいるつもりなの?」
「………言ったって、メンバーのままですよ。変わらないもん」
夕ご飯を食べ終え、部屋で寛いでいたのだが、ふとホバに抱き枕を貸していた事を思い出して部屋を尋ねれば、丁度僕が貸している抱き枕に抱きつき、うとうとしているホバがいた。それとなく抱き枕を回収し、このまま部屋を出るのもな…と思って話を振れば、眠そうな目はそのまま、唇を尖らせて拗ねてしまった。変わらないって…やってみないと分からないのに。
「ヒョンの言った事試した?」
「……試した」
「お!どうだった?」
「……嫌がられなかった…それに、今度からは自分からしても良いかって言ってくれた……」
「やぁ!何でそれを言わないんだよ!それなら後はもう告白するだけじゃんか!」
「……無理ですよ」
「何でだよ。いけるだろ」
「無理ですよ!だって……だって、僕の告白、ちゃんと聞いてくれた事ないもん……」
「…それは、リビングだったり、控え室だったり…周りに人がいたからじゃない?それに、本気で言ってるように見えないんだよ!」
「………何十回も言ってる言葉を、今更2人きりの時に言ったって、流されて終わりですよ……それに、僕はいつも本気です」
「うぅ〜ん……」
それは困った。顎に手を置いて考え始めた僕を見て再び、無理ですよ、と小さく呟いてうつ伏せになってしまったホバを見て、更に頭を悩ませる。落ち込ませるつもりはなかったんだけど…せめてもの慰めとして丸い後頭部を撫でるも、反応は返ってこない。
「……ねぇ、ホバ」
「………何ですか」
「……何十回も言ってて、全部本気なのは分かった。……でも、これで最後!って気持ちで言ってみたら?」
「………それで、最後になったら……?ナムジュナに避けられるのは、嫌だ………」
「あいつは避けないよ。大丈夫」
何となくだけど。
「……根拠は?」
「ヒョンの勘」
本当にただの勘。……だけど、絶対に避けないだろうし、何なら良い未来が待ってるのでは?と僕の勘が言っている。ほんの少し視線をこちらに向けてくれたホバの目を真っ直ぐ見ながらそう言えば、少し逸らしてから、再び目を合わせてくれた。…これは、覚悟が決まったという事か?
「……ジンヒョン」
「ん?」
「…駄目だったら、ヒョンのとこに行っても良いですか?」
「…やぁー、内気な事を言うなよ!ホバは大丈夫だよ〜」
「思い切り泣き喚いて鼻水ベタベタに付けに行っても良いですか?」
「それは嫌だ」
不安気に瞳を揺らしながらも、冗談を言えている事に安心して再び頭を撫でると、今度はぺしっと軽く叩かれた。何だよ、ヒョンが勇気を分けてやったっていうのに。
「どっちにしろ、報告しに来てよ?今、勇気を送ったからね」
「勇気……えー?ヒョンからもらった勇気じゃ、つまらないギャグ言って滑って終わりですね」
「おい!!」
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