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…しっかし、弱いなあ。魔法少女もこんなに弱っちい奴らばかりでつまらないや。
僕は頬についた返り血を拭い、また次の獲物を探そうとした。
たとえ僕を○そうが○さまいが、魔法少女には手応えが無い。最初は良かった。一人や二人は○せば十分だと思っていたのに。
弱い。それにまた増える。つまらない。それに正義の味方ぶるし。
たとえダメージを僕に与えても、僕には関係ない。
“嗚呼、何でこんなにも僕は狂ってしまうんだろう。”
飛んだ返り血が、僕の頬を彩っては、また拭われて霞んでを繰り返して、僕の服でさえも、血に濡れてしまって、鉄の香りがほのかにだが、僕の鼻へと香ってくるのだ。
夕方になれば、僕についた血が夕日に照らされ、また真っ赤に輝く。
その時だけ、僕の白銀の髪がオレンジに染まり、僕自身が太陽にでもなったように、全てを忘れれるんだ。悪でも正義でも何でもない僕に。その時だけ、忘れられる。
そうだった。今日は兄さんとの約束があるんだった。
僕が帰ろうとした途端、一瞬…左腕の感覚が無くなるように、そして左腕の上から肩まで、痛みが伝わって来た。
…まだ魔法少女が、居たみたいだ。
少し左腕の下部分が吹っ飛んだけど、まぁいい。この魔法少女は今日最後の獲物にしてやろう。
そう思い、左腕は使えないので、右手で何とか雷霆を構える。
僕は両手で雷霆をよく構えるけど、今は右手だけで何とかするしか無い。
戦闘を始め、僕は魔法少女の攻撃を受け止めつつ、距離を縮めて行った。
少しづつ、少しづつ…
早く殺らなければ。殺らなければ。
何とか雷霆を刺せそうな距離まで辿り着いた途端、その魔法少女は…
僕の腹を、思いっきり魔法でぶっ飛ばしていた。
杖で戦ってたくせに、何でこんな事になるんだよ。
口から血がダバダバと溢れ、まだ血が滴っている左腕を無理やり動かそうと、右手に持った雷霆で、グラグラしながらバランスを取ろうとした途端…
僕はボーッとなり、いつの間にか倒れていた。
あぁ…どうして…どうして…
「ッ!?父さん!!父さん、また無茶して…ほら、僕が担ぐから、早く帰るよ…!」
もう日の光も失いかけている空に、爽やかで、少々低く、響くような声が空へと伝わる。
黒翼を生やし、少々紫みじた銀髪の青年が神の王を担ぎ、そのまま天高く飛び去ってしまった。
─続く。─