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嘘つきな君へ

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嘘つきな君へ

5 - 第5話

♥

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2022年03月17日

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真面目に書くとどうしても重くなっちゃう。

暗いお話はみんなあんまり好きじゃないのかな?

今までのお話を読み返すと何か気づくかも、?


〜riho side〜


なかなか泣き止まない西の手をぎゅっと握って、その甲を優しく撫でる。


大丈夫、大丈夫。

しんどかったね、西は悪くないよ。

よく頑張ったね、話してくれてありがとう。


優しい言葉をかける度、涙の勢いは増すばかり。泣き止んで欲しい訳じゃない、むしろ私の前では素直に涙を見せて欲しい。


ぽつりぽつりと、西は話し始めた。


普段は優しい旦那さんは、怒るとすぐに手を挙げるんだと西は話してくれた。それから、最近あった悲しい事、傷付いた事。その全てに、旦那さんの名前が出てくる事に怒りを覚えたと同時に、今まで気付けなかった自分を恨む。





西は幸せなんだと、ずっと思っていた。

結婚の報告を聞いた時の私の涙が、嬉し涙じゃなかった事だって、西が幸せならそれでいいと思ったから隠していた。

あの夜、恋心は閉じ込めたはずだけど、そんなに簡単に切り替えられる訳もなく今もずるずると気持ちを引きずっている。

でも、西が幸せなら、好きな人が幸せなら、それで良いんだと自分に言い聞かせていたのに。

なのに、西が幸せじゃない事を知って、全てが壊れた。

私の苦しみは西のためになんてなっていなかった。


ねぇ、西、私なら絶対そんな顔させないのに。

私の方が、あんたを幸せに出来るのに。


1度溢れてしまった気持ちは止められない。


胸の奥がザワザワして落ち着かない。苦しくなって西をぎゅうっと抱きしめると、背中に回った西の手が絶対に離すまいと私にしがみついて来る。

大丈夫、私はどこにも行かないよ。


しばらく泣いたあと、ごめんね、と、か細い声で言って私から体を話した。

西の顔は哀しみで溢れていた。20年以上一緒にいて、初めて見たこんなに哀しい顔。何もしてやれないのが悔しい。


「話してくれてありがとう」

「ううん、ただの愚痴だから」


知ってるよ、ただの愚痴じゃ、西がそんなに泣かない事。


「でもね、」


西が言葉を詰まらせる。その目に、いつものような光はない。


「結局旦那さんの事、愛してるんだよね」


泣いて乱れた髪を手でとかしながら、そう言った。


〜〜〜

気付きましたか?😶‍🌫️

次回はR15かな。お楽しみに。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

続きが楽しみ!

ユーザー

主さんの考え方ほんと素敵です!! 最後にこちゃん髪触りましたね!?笑

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