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「……やっぱ警戒されてんのかなって。嫌々付き合ってくれてたりする、?」
その言葉には少し寂しげな色が滲んでいた。
彼が本当はどう思っているのかわからない。
だけどその言葉を聞いて、罪悪感が倍増した。
「ち、違う、いや…それも違うの、かな」
気がつくと口から出ていた。
「どういう、こと?」
「…っ、その、さ…なんで、天馬くんみたいな住む世界違う人が、僕に話しかけてくれて、一緒にご飯食べてくれるんだろうとは……思うよ」
一呼吸置いてから更に続ける。
「僕と話しても楽しくないと思うし……普通に教室で話し掛けられても、周りの目とか気になっちゃってすごく緊張するっていうか…けど、嫌々付き合ってるとかじゃなくて…絵褒めてくれたのも、嬉しくて……でも、その……っ、ぜんぶは、言えないんだけど…」
自分でも支離滅裂で情けなくなるけどこれが本音だった。
ここまで話したら黙り込むしかなくなる。
少しの間を置いてから天馬くんは小さく笑ったような気がした。
「そっか、それ聞いて安心したわ」
「え……?」
「俺の一方的じゃないんなら良かった。うん」
僕にはその『うん』が妙に力強い返事に聞こえた。
「言っとくけど俺は、水瀬と話すの楽しくて話しかけてるから」
天馬くんは再びこちらへ歩いてくると僕の目の前で立ち止まる。
「だから水瀬のペースにちゃんと合わせるからさ、俺…もっと水瀬のこと知りたいんだよな」
彼は本当に屈託ない笑顔を見せてくれた。
それが眩しくて思わず目を逸らしてしまうほどだ。
しかしその温かさはちゃんと伝わってきていてとても心強い。
「ぼ、ぼくの……こと?」
「そう。絵も教わりたいけどそれ以上にさ」
天馬くんは一拍置いて真剣な眼差しを向けてくる。
「水瀬と友達なりたいんだけど、嫌だ?」
彼が喋る度に緊張感が解けていくのがわかる。
「い、嫌じゃ、ないよ…っ」
この人は僕を尊重してくれているんだ。
その事実がじんわりと胸に染みていく。
「そっか。髪伸ばしてんのもなんか、理由あんでしょ?無理に聞くつもりないし…そりゃあ、水瀬が話してもいいなって思ったら、気になるから話してほしいけど」
「それまではこうやって適当にだべってれば良いじゃん」
優しい提案だった。
もしかしてこの人となら、少しずつ打ち解けて行けるかもしれないと
期待を持てるようになった瞬間だった。
「………っ、ぅん、ごめん、ありがと」
自然に出た感謝の言葉に対し、天馬くんは照れくさそうに首筋を掻いてみせた後、また少し微笑んだ。
#シリアス