テラーノベル
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どもども主です!
他のも書かなきゃだけど、これ書きたくて新しく書きました!
それじゃどぞ!
*Prologue 〈君が泣いている理由〉*
夕暮れの街。
オシャレなカフェの窓際で、イタリアはひとり、冷めたカプチーノを見つめていた。
テーブルの上には、恋人に渡すつもりだった、プレゼントの小箱が置かれていた。
付き合って半年。
彼の喜ぶ顔を想像して、少し背伸びして買ったアクセサリーだった。
何日も、何日も悩んで選んだものだった。
_なのに。
『ごめん。俺、好きな人が出来たんだ。』
ついさっき、彼の口から告げられた言葉が何度も何度も、頭の中で繰り返される。
しかも、相手は
彼が以前から「ただの友達だ」と言っていた女性だった。
伊 「…そっ、かぁ……。」
ぽつりと、声が落ちた。
伊 「…io、ちゃんと好きだったんだけどなぁ…」
笑おうとした、
いつものように明るく。
…でも、笑えなかった。
「しょうがないよね!」なんて言って、全部無かったことにしたかった。
でも、口元は少しも動かなかった。
伊 「…ioの、何が悪かったんだろ…。」
誰もいないテーブルで、彼はうつむいた。
忙しい日には邪魔をしなかった。
会える日は、いつだって嬉しかった。
自分なりに、一生懸命だった。
それでも、選んでもらえなかった。
伊 「……バカだなぁ、io…。」
頬に伝いそうになった涙を、慌てて袖で拭う。
その時だった。
「…………イタリア…?」
聞き慣れた、低い声だった。
顔を上げると、黒いコートを着たドイツが立っていた。
独 「…何をしている?こんなところで」
伊 「…ドイツ?」
幼い頃からの知り合いで、何かと自分を気遣ってくれる人。
けれど、今は…
伊 「…なんでもないよ、ちょっと疲れちゃっただけ」
そう言った瞬間。
独 「…泣いたのか?」
伊 「泣いてないよ?」
独 「目が赤い」
伊 「…風が強かったから、」
独 「店内だぞ」
伊 「……………」
言い訳が尽きた。
ドイツが向かいの椅子を引き、静かに腰を下ろした。
そして、テーブルの上に置いてある小さなプレゼントと、イタリアの手元に視線を落とす。
独 「…アイツと、何かあったのか」
その一言で。
イタリアの表情が、くしゃりと歪んだ。
伊 「浮気、されちゃった…」
ドイツは黙った。
伊 「他に、好きな子が出来たみたいで。…io、知らなかった。」
伊 「ioだけ、ずっとうまくいってるって思ってたんだ」
最後の言葉は、聞き取れないほど小さかった。
ドイツの手が、膝の上で固く握られる。
怒りはあった。
今すぐ相手のところに行って、問い詰めたいくらいには。
けれど、目の前で傷付いているイタリアに、そんな自分の怒りを見せるわけにはいかなかった。
独 「お前は悪くない。」
伊 「………でも」
独 「お前がどれだけ相手を大切にしていたか、俺は知ってる。」
伊 「…………っ…」
独 「だから、自分を責めるな」
優しい声だった。
あまりにも優しくて、
イタリアはとうとうこらえきれなくなった。
伊 「…ドイツぅ…」
独 「…あぁ」
伊 「…io、ちゃんと、好きだったのに…!」
独 「分かっている」
伊 「ぅ…、ヒックッ…。」
ドイツは何も言わず、隣の席へ移った。
そして、イタリアはためらいながら伸ばした手を、しっかりと握った。
独 「…今日は、俺が送っていく」
伊 「………迷惑、じゃない?」
独 「迷惑なら、最初から声をかけていない」
伊 「…ありがと」
イタリアは、そっとドイツの肩に寄りかかった。
ドイツは動かなかった。
ただ、その手を離さなかった。
_ずっと、こうしたかった。
泣いているお前の隣にいる事も。
お前が傷付いたとき、真っ先に頼られる事も。
けれど。
ドイツは知っていた。
今、イタリアが自分に寄りかかっているのは、恋をしているからではない。
傷付いて、ひとりで立っていられないからだ。
それでも。
独 「…イタリア」
伊 「………ん?」
独 「…お前が、笑えるようになるまで俺がそばにいる。」
伊 「…うん」
独 「(………今は、それでいい。)」
独 「(いつか、お前が自分の意思で俺を選んでくれる日が来るなら」
たとえ。
どれだけ近くにいても、まだ届かないとしても。
イタリアはまだ知らない。
自分が何度も救われてきたその手を、ずっと前から、誰よりも欲しがっている男がいることを。
そして、その男が。
いつか、自分の心までを盗んでしまう、たったひとりの「怪盗」になることを。
ムゥ
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天木
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コメント
1件
失恋の傷を抱えたイタリアに、ドイツが何も言わず隣に座って手を握る。あの「お前は悪くない」の一言が沁みました。タイトルの「盗めない心」が最後の「怪盗」の伏線に繋がっていて、構成も綺麗ですね。ドイツの一途な想いが報われる日を、続きでじっくり見守りたいです。