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「……お願い、元貴……早く……」
息を荒くしながら、涼ちゃんが懇願してくる。
それは、普段のステージ上の優しい彼とはまるで違う。
手足は震えていて、脚の付け根には熱がこもり、
目隠しも拘束もしていないのに、完全に“支配されている”顔だった。
元貴は、そんな涼ちゃんの姿をしばらくじっと眺めていた。
スマホの画面に指を添えたまま、操作はせず、
ただ、涼ちゃんの声、息、仕草を目でなぞっていた。
「……ねぇ……なんで、止まってんの……?
これ以上、焦らされたら……おかしくなる……っ」
「ほんとに?」
「……っ、ほんとに、だよ……。
わかってんだろ……っ、今の俺、限界……なんだって……」
「だったら……そのまま、イってみて?」
「……は?」
「触らなくても、手を貸さなくても、
ローターだけで、イけるってこと証明してみせてよ」
涼ちゃんは息を呑んだ。
そして、下唇をかみながら、首を小さく振る。
「……そんなの、無理だって……」
「でも、もう何回も、腰震えてる。
……さっきも、リハ中、何度か、出しかけてたろ」
「……だって、それは……元貴のせい、だから……」
「じゃあ俺がスイッチ入れるたびに、
君の“全部”が反応してるってこと、見せてよ」
涼ちゃんの頬がほんのり赤く染まる。
そして――諦めたように、小さくうなずいた。
「……いいよ。
もう、どうなってもいいから……
俺のこと、見てて……」
元貴は静かに、スマホ画面をタップした。
操作レベルを、一段、二段――そして三段階上げた。
「……っ――、あ、く、ぅ……ああ……っ!」
涼ちゃんが壁に手をついて、背を仰け反らせる。
膝がかくんと折れかけ、太ももがピクピクと揺れる。
「う、そ……これ、やば……っ、まじで……止まんない……っ」
「音、すげぇ拾ってるな……
服の下、震えてんの、こっちまで響いてくる」
「っ……お願い……もう、見てるだけとか、やめて……っ」
元貴は静かに立ち上がった。
スマホをポケットにしまい、涼ちゃんの背後に回る。
「じゃあ――ご褒美、あげなきゃな」
涼ちゃんの肩に手をかけ、壁際に押しつける。
ローターのスイッチは入れっぱなしのまま。
「ずっと我慢してたもんな。……偉かったな、涼ちゃん」
「も、元貴……お願い、早く、入れて……っ、欲しくて、もう……」