私
の人生はまるで、坂から転げ落ちるようなものだった。
希望に満ちた高校生活は始まりと同時に終幕を迎え、それからというもの私は落ちこぼれ人生まっしぐらだ。
まず最初に起きた出来事といえば――そう、あれは入学してすぐのことだった。
教室に入るなり私はクラスメイト全員の前で派手に転倒してしまい、スカートが捲れてパンツ丸出しになったのだ。幸いにも周囲に男子生徒はいなかったものの、あまりの出来事に恥ずかしくて泣き出してしまったのを覚えている。
その後も体育の授業中にバレーボールをしていたら顔面レシーブを食らい鼻血を出したり、授業中居眠りしていたせいで先生に当てられて答えられず赤っ恥をかいたり……本当に散々だった。
今日一日だけで一体どれだけの醜態を晒してしまったことだろうか。思い返せば返すほど恥ずかしくて死にたくなってくる。もういっそ今から死んじゃおうかなぁーなんて考えすら頭をよぎるほどだ。
しかしそれでも僕はめげずに学校生活を乗り切った。放課後になれば友達のいないぼっちには辛い空間から逃れられるのだ! そう思うことでなんとか気力を保てたと言ってもいいかもしれない。
そして迎えた昼休み―――
「ねえねえ。昨日言ってたことだけどさ、良かったら一緒に帰らない?」
「えっ!? あ、ああうん、そうだね!」
突然のこと過ぎて思わずどもってしまったけど仕方がないよね?だってこんな可愛い子が僕なんかの名前を呼んできたらさ!
「あーっと……えぇとぉ…………」
「…………?」
僕の返答を待つ女の子の可愛らしい顔を見つめているうちにだんだん恥ずかしさがこみ上げてきて僕は頬が熱くなるのを感じた。
だけどここで照れて何も言わなかったりしたらもしかしたらこの子はどこかに行ってしまうかもしれない。そう思ったからこそ勇気を出して僕は口を開いた。
「ぼ、僕の名前は水無月秋人だよ!」
「ミナヅキアキヒトさんですか?はじめまして! わたし、水無月アキナといいます!」
そう言って微笑む彼女は、僕には眩しかった。
まるで夏の太陽のようで……。
僕はいつものように大学から家に帰っている最中だった。
しかし突然現れた謎の美少女に声をかけられ、今に至る。
「えっと……はい、そうですけど……」
「わぁ〜嬉しい!! ずっと会いたかったんです!!」
「そ、そうなんですか?」
「あーっ!敬語はダメですよ!? 同い年くらいでしょう?タメ口でお願いしますねっ♪」
「は、はいっ!」
こんな可愛い子に話しかけられて緊張しないはずがない。
それにしても本当に綺麗だな……。こんなところで君に出会うなんて。
君は俺にとっての天使だよ! ああもう我慢できない!! 君のことが好きだ!!! えっと……じゃあ付き合ってくれるかな? はぁ!? あんたが勝手に告白してきたんじゃない! あたしは返事してないし、OKもしたくないわよ!!……ふーん。そういう態度取るわけね。
そっかそっか、残念だけど仕方ないか。
俺みたいな冴えない奴なんか相手にされないだろうし、最初からわかってたことだ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!