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(昼下がり。共同生活を送る一軒家のリビング。あやねがスケッチブックに向かい、真剣な表情で絵を描いている。つかさが隣でそわそわしている)
つかさ
なぁ、あやね。絵ばっか描いてねーで、なんか面白いことしようぜ!俺の能力でさ、みんなでドッジボールでもするか?
あやね
(顔を上げずに)
うるさい。集中してるんだから邪魔しないで。お前の「仲間を作る」能力は、そんなくだらないことに使うな。それより、その騒がしい脳みそ、絵の具で塗り替えてあげようか?真っピンクにしてやる。
つかさ
(ビクッとする)
え、マジで!?やめてくれよ、ピンクなんて!俺、やんちゃ坊主なんだからよぉ!
りゅうき
(キュウリの漬物を食べながら、二人のやり取りを見てニヤニヤ)
今日もつかさとあやねは平和だなぁ。
れあ
(りゅうきの隣で、雑誌を読みながら)
仲良いんだか悪いんだか。どっちもどっちの脳筋野郎どもだろ。
りこ
(ストレッチしながら)
でも、なんだかんだで二人のコンビネーションは悪くないよね。
かいと
(透明になりながら、リビングの隅で誰かのオヤツを探している)
(心の声:オヤツ……どこだ……)
ひでゆき
(バットを素振りしながら)
あやね!そんな細かい絵ばっか描いてないで、もっとドでかい絵を描けよ!野球のグラウンド一面に描くとかさ!
あやね
(睨む)
あなたには、芸術の何たるかが理解できないわ。
すいれん
(笑顔で)
みんな、個性的だね!
【シーン2】 街の異変 - 広がる不信感と、幻覚の霧
(SE: ざわめき、しかしどこか冷たい空気)
(午後。佐世保の街。最近、人々がお互いに疑心暗鬼になり、些細なことで争い始める現象が多発している。まるで、見えない霧が街を覆っているかのようだ)
(つかさ、あやね、すいれん、ひろふみの4人組。クロードの指示で、街の異変を調査している)
すいれん
街の人たちの心が、バラバラになっていくみたい……。みんな、お互いを信じられなくなってる。
ひろふみ
ええ。強い『不信』の感情が、まるで伝染病のように広がっています。悪霊の仕業でしょう。
(その時、目の前で、向かい合って歩いていた街の人々AとBが、突然、立ち止まり、互いに罵り始める)
街の人A
あんたが私の悪口言ってたの、知ってるんだからね!
街の人B
何言ってんだ、この人!あんたこそ、いつも変な目で見てるじゃないか!
(二人の間に、薄い黒い靄がゆらりと現れる。悪霊(不信感増幅型)の仕業だった。その靄は、周囲の景色を歪ませ、幻覚を見せ始める)
街の人A
(幻覚で、街の人Bが醜い化け物に見えるのか、悲鳴を上げる)
ひぃっ!バケモノが来る!
街の人B
(幻覚で、街の人Aがナイフを振りかざしているように見えるのか、怯える)
やめろ!俺を刺す気か!
つかさ
(幻覚を見て、焦る)
な、なんだこれ!?みんな、変なものが見えてるのか!?
あやね
(冷静に、しかし険しい表情で)
幻覚よ。不信感を煽るための。
(悪霊は、さらに黒い靄を広げ、街全体を幻覚の霧で覆い始める。人々は、幻覚に怯え、互いに攻撃し合おうとする)
子供
(母親から離れ、泣き叫ぶ)
ママが、怖いお顔になった!
つかさ
(子供の泣き声を聞いて、慌てる)
くそっ!このままだと、みんなバラバラになっちまう!俺が、なんとかしなきゃ!
(つかさは、子供に駆け寄ろうとするが、悪霊の幻覚が彼にも襲いかかる。目の前には、能力者たちがつかさを裏切る幻影が現れる)
れあ(幻影)
(不気味に笑い)
お前なんて、いなくてもどうでもいいのよ。
りゅうき(幻影)
(キュウリの化け物になって)
お前なんか、キュウリの栄養にもならねぇ!
つかさ
(幻覚に一瞬ひるむ)
うっ……!
あやね
(つかさの隣に立ち、筆を構える)
馬鹿ね。こんな幻覚に騙されるなんて、あんたは絵の具の知識もないのか。
(あやねが筆を振るうと、幻覚の空間に、鮮やかな色彩が広がる!その色彩が悪霊の幻覚を打ち消し、一時的に人々の視界をクリアにする)
街の人々A/B
(幻覚が消え、ハッと我に返る)
あれ?今、何が……?
あやね
(幻覚を打ち消しながら、つかさに毒づく)
いつまでも呆けてないで。あんたの能力で、みんなを繋ぎなさいよ、このやんちゃ坊主。
【シーン3】 不信の壁 - 仲間を作る力、色彩の力
(SE: 混乱のざわめき、幻覚の音が混じる)
(街は再び幻覚の霧に包まれ、人々は互いを信じられなくなっていく。悪霊は、見えない場所から、彼らの不信感を増幅させる)
ひろふみ
(悪霊の心を読む。心の声:『悪霊は、見えない場所から、人々の『繋がり』を断ち切ろうとしている!』)
すいれん
(悲しそうに)
みんなの心が、どんどん離れていく……。
つかさ
(顔を歪ませながら、周囲の人々を見る)
くそっ!みんながバラバラになっちまう!俺の能力じゃ、まだ届かねぇのか!?
(つかさは、人々の間に『仲間を作る』能力を発動しようとするが、悪霊の不信感増幅能力によって、その効果が打ち消されてしまう。人々の間に、見えない『壁』ができていく)
つかさ
(苛立ち)
なんだよこれ!誰も俺の呼びかけに応じねぇ!
あやね
(冷静に、しかし確信を持って)
当然よ。見えない不信の壁ができている。そこに直接、あんたの能力をぶつけても意味がない。
(あやねは、再び筆を振るう。彼女の能力で、人々の間にできた見えない『不信の壁』が、目に見える『黒い壁』となって出現する!)
りゅうき
(驚いて)
壁が……見えんぞ!
れあ
(ニヤリと)
なるほどな。見えないもんを、見せてやるってか。
(悪霊は、あやねの能力に動揺する。自分が見えない存在だからこそ、人々の心を操ることができたのに、その不信感が『可視化』されてしまったのだ)
悪霊(不信感増幅型)
(苦悶の唸り声を上げる)
あやね
(黒い壁に、筆で巨大な赤い丸印を描く)
さあ、この『不信の壁』を、あんたの能力でぶち壊しなさいよ、つかさ。
つかさ
(あやねの言葉と、目の前の『黒い壁』を見て、ハッとする)
そっか!見えてりゃ、俺の能力も効くんだな!
(つかさは、壁に向かって、全身全霊で「仲間を作る」能力を発動させる。彼の体から、無数の温かい光の糸が放たれ、黒い壁にぶつかる!)
(SE: 壁が砕けるような音、人々のざわめき)
(つかさの能力と、あやねが可視化した『不信の壁』がぶつかり合い、黒い壁はヒビが入り、やがて粉々に砕け散る!同時に、街の人々の不信感も薄れ、互いに目を合わせるようになる)
街の人A
あれ……私、何を怒ってたんだろう?
街の人B
ごめん……なんか、急に冷静になったわ。
すいれん
(笑顔で)
みんなの心が、また一つになったよ!
ひろふみ
(悪霊の心を読む。心の声:『不信感の壁が壊され、悪霊は弱体化している!』)
クロード(無線)
(声のみ)
見事だ、つかさ、あやね!今だ、総攻撃を仕掛けろ!
(悪霊は、不信の壁が壊され、弱体化した姿で、逃げようとする。そこに、他の能力者たちが集結し、一斉攻撃を仕掛ける)
りゅうき
(悪霊めがけて、巨大な植木鉢を念動でぶつける)
くらえ!絆のキュウリ攻撃だ!
れあ
(悪霊の体を破壊するように、渾身の一撃を放つ)
とっとと消えろ、この疫病神が!
ひでゆき
(悪霊の逃げ道を予測し、野球ボールを模した光の球を投げる)
ナイスピッチ!俺のアイデアは外さないぜ!
(悪霊は、次々と繰り出される攻撃に耐えきれず、断末魔の叫びを上げ、黒い煙となって消滅する)
つかさ
(息を切らし、あやねに)
はぁ、はぁ……やったな、あやね!やっぱお前と一緒だと、結構いけるな!
あやね
(顔をそむけ、小さく)
……別に。あんたが馬鹿すぎて、私がイライラしただけよ。でも、これで街が平和になるなら、悪くないわ。
(二人は、いつも通りのやり取りを交わすが、その間には、確かな信頼関係が芽生えていた。街には、再び人々の笑顔と、穏やかな日常が戻る)