一見すれば命乞いのように聞こえるセリフでも俺らは困惑してしまった。俺らが獅子組として活躍していたのはたったの高校生活3年だ。今では役職の方が有名になっており、りうらだとかは風俗嬢、ほとけは喧嘩屋だなんて呼ばれているはずだ。そんな事実があるのに最初に出てきた言葉が獅子組の隊長とは??俺はグルグルと回る脳内で考えていると急にピーンと来た。
「お前、俺を刺した奴か!!」
そう、目の前で俺に胸ぐらを捕まえている男は高校生の時に俺の腹を2箇所刺した男だった。この男は高校時代、俺に今後一切手を出さないという条件で獅子組が許した相手だった。そんな奴がまさかここの幹部だったとは、、、丁度いい。俺らにどうやらトラウマを持っているようだし、ボスの場所を話してもらう事にしよう。幾らボスの場所が極秘情報だとしても関係無い、コイツに優しくする必要なんていらないからな、拷問してでも聞くぞ。
「ッッそうだよ!!なんだ!悔しいかッッ!俺は絶対”あの方”の場所は吐かないぞ、、」
「そか、、、」
ギロリとこちらを睨んで来る奴の目は確かに堅気の人間ならビビってしまうほどの眼力だったが、そんな目を何回も見てきた俺には関係ない。どうやらボスの場所を吐かない様子なので拷問コースのようだ。俺が右手の拳を握ろうとしたらほとけに止められてしまった。いつもニッコニコで相手をボコボコにするほとけでも俺の動きを止めるとは、、、そんなにも俺は暴走しかけていたとは驚きだ。
「アニキは、ちょっと廊下に出てくれる??ボスの場所は絶対俺達が聞き出すからさ。」
随分落ち着いた声でないこに出て行けと言われてしまった。確かに俺では聞き出せないかもしれないのでここはそういったプロに任せるとしよう。そう思い俺はその場をないこ達に任せ、りうらと一緒に廊下に出る事にした。りうら曰く俺か弱い男の子だから拷問とか怖い〜という事らしい。いや、お前か弱いなら何故銃を持ち歩いている。お前らも平気で嘘つく奴は信用しちゃいけないぞ。
30分ほど廊下でりうらと指スマしながら待っていると、扉が開いた。部屋の中に入ると、俺は血生臭い匂いに覆われた。部屋の中央ら辺の椅子にどうやら男が縛り付けてあり、ナイフで滅多刺しにされていた。部屋の中の音は聞こえなかったがその恐ろしさ、残酷さはこの情景を見るだけで察せた。俺とりうらは特にこの状況に言及を求めることはせず、大切な事だけ聞く事にした。
「ボスの場所はわかったんか?流石にこの状況で分かりません言ったら怒るけどな。」
「ははっ、アニキ怒らせちゃ僕ら対応できないね。」
「悠くん安心しな。ボスの場所はないちゃんとまろちゃんがエグいことしてしっかり吐かせとったからな(笑)」
「ほぼないこたんがしてたんだも〜ん。まろ悪くないもん。」
「はいはい、幼児退行グローバルお兄さんは黙ってね。んで?ないくんボスの場所は何処なの??」
「まろの扱い酷くない!?」
「まろはほっといて奴らのボスが居る場所わかったから共有していくね。」
比較的情報判断能力が高いりうらとないこは平気でまろを無視する。相変わらず扱い方は完璧のようだ(笑)。俺らは心の中で苦笑してからないこの話を静かに聞いた。
「まず、ボスの男、、、は、ここのビルの中にはいつも居ないらしくて、自分の別荘を転々と移動しているらしい。んで今は、茨城の海が見える場所に居るんだって。」
茨城というと、ここから車で2時間半ぐらいのはずだ。田舎に近いという事で確かに身を隠す場所としては最適かもしれない。俺も幼少期に海の別荘に近い所に行ったことがあるからわかるのだ。
「ちなみにだけど、この別荘には半径1キロメートルには絶対に見張りが居ないらしくてさ、理由が1人の方が集中しやすいって本人の口から言ってるんだって。」
「自分の腕に相当の自信を持っているんだな。」
「そういう事。」
半径1キロメートル以内に自分の仲間を入れないという事は、己の敵は己で対処する気なのだろう。面白い、ここのボスのそのプライドをズタズタに壊してやろう。
「んで、今からそこの別荘への突撃方法を発表するね。」
俺はないこが即興で考えた、突撃方法を聞きすぐさま実行する事にした。取り敢えずここのビルの制圧は初兎の部下達に任せ、俺ら6人は別荘への突入係とする。善は急げというので俺らはさっさとビルから出ると、まろが手配していた車に乗りこみ、茨城の海辺の別荘に向かう事にした。
車の中では、熱い声援が響いていた。運転席にはまろ、助手席には俺が座っていて他の4人は後ろに座っていた。何故熱い声援が響くって?後ろでマリカ大会が開いていたからだ。偶然車の中にあったまろのスイッチでマリカをしているらしい。そこにバナナおくなだとか補助りうら、赤甲羅!!と叫んでたりした。傍から見たらキチガイ軍団だぞと思いながらこいつらが危ないヤツだと忘れそうになってしまっていた。スイッチのただでさえ小さい画面を四分割するとはまじで見にくくなってしまうんだぞ?最近歳のせいか小さいものを見ずらくなってしまった俺は彼らの幼さにビビっていた。
ちなみにだがまろは運転しながらブチ切れていた。まろは運転するときはいつも音楽を聴くらしく、今日は特別ゲストである俺に歌わせていたのだ。俺がめざポケを歌い始めたあたりから後ろが騒ぎ始めたので怒っているらしい。そんなに俺の歌を聞きたいとは、、少し照れながらも5人の仲良しさに俺は少し感動していた。
高速道路を使い、茨城の地に着くと、綺麗な海が見えてきた。俺は、透き通るように光っている海を尻目にスマホで地図を確認した。別荘は森に囲まれ、海が見えるという隠れ家のようだが、相当のお金がかかっているらしい。ビルの装飾といい、別荘にまで大金をかけるとは、実に完璧主義者のようだ。自分に相応しいものを身の回りにおき、人生を謳歌する。俺が両親に恵まれていれば可能だったかもしれない暮らしに俺は何処か寂しいものを感じた。そんな自分にしては似つかわしく無い事を考えていると、まろに声をかけられた。どうやら別荘最寄りの駐車場に着いたらしい、俺は車を降り静かに茨城の地の空気を吸い込んだ。
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コメント
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指スマしながら待つのは可愛いねぇ〜、バブかな?バブだな?きっとないちゃんとまろちゃんは相手に精神的苦痛を与えたのかなー?アニキを刺してるんだから私も参加させろ……(((((殴
気軽にコメントさせて頂きますm(__)mいやー今回も楽しく拝見させて頂きましたm(__)mやっとボスの居場所が✨分かった✨w指スマして待ってんのかわよw推せるんですけど