叩かれた背中が痛い
あの人やっぱり力加減わかってへんやろ
生身の人間は脆いねんって
何回そう思っただろうか
何回そう言っただろうか
だがこんなことを言ったって某ちいさくてかわいいやつみたいな顔面で『?』と返ってくるだけだ
おそらく自分ではちゃんと加減しているつもりなのだろう
ここまでくるとなぜあんなに伝わらないのかが不思議だ
階段を上がり2階につくと、各々の部屋に建てつけられている扉にネームプレートがかかっていた
そのうちの1つの扉に近づき、扉をノックした
ネームプレートは前に遊びに来たときよりもお洒落になった気がする
「…入ってもいいですか?」
扉の向こう側に話しかける
「ちょ…もうきたんかぁ」
「ちょっと部屋がお亡くなりしてるから」
これは長引くタイプの返事だ
片付けをまじめにしないこの人は人が来る直前に片付け始めることが多い
「自分も手伝いますよ」
そう言って返事を待たずに音を立てて扉を開ける
床は比較的片付いているが問題は机
お亡くなりしている机さんの上にはパソコン以外に資料やら課題やらが散乱していた
歩ける場所があるからまだまだマシな方だが机の片付けが終わらなかったらしい
「戦力きちゃ〜!!!ほんまにありがとーッ!!」
手を掴んでブンブンと上下に振る
腕がもげそうだ
この家には力加減をするという概念はないのか
そんなにヤバかったのか何度も礼を口にする
「もういいからやりますよ」
そう言って取り掛かる
しばらく経ったときこう言われた
コメント
1件
…昔と変わったってこと?ほんなら、よかったけど… あと、腕大丈夫?取れてない?