は
それどういう意味ですか
そう言いたかった
疑問という名の球体をこの人に投げたかった
口が動かない
まるで機能していないように
この人は時々よく分からないことを自分に投げかけてくる
でもなんだか毎回自分の痛いところを突かれた気がして
それが不思議と自分を金縛りにあったように動けなくさせる
「な?図星やろ〜w?」
笑いながらさっきとは違う明るい声で言った
逆にそれが本音を誘われているように感じる
「…ふはっそんなことないじゃないですか〜そんなん誰から聞いたんですかぁ」
へらへらと笑って誤魔化す
これが自分の生き方だった
八方美人してりゃいける
そんな甘い考えが自分を後々徐々に苦しめてゆくのだ
どれだけやめようとしてもやめられない
それが自分を型どってる
これを辞めると壊れるかもしれない
そう思って辞められなかった
こんな考えを持った時点で俺は壊れていたのかもしれない
辞めようとしていたときにはもう遅かったのかもしれない
もうすでに自分という形無きものはもうなくて
嘘で固めた硬い甲羅だけになっていたのかもしれない
とっくの昔に壊れてそれに自分も気づかないままだったのかもしれない
本音を今零してももう自分には遅いのだ
「今日一緒に来たやつにLINEで教えてもろてん」
「そうですか…」
スパイを潜入させるみたいに自分を探ってくる
なんだかちょっと割れたガラスを金継ぎされたみたいだった
コメント
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人の生き方に口は出せない…けど、 なんかあったら全然相談して? 紗尾紫弍浪さん用の作っておくからさ? 全然相談してね?