大昔、勇者が魔王を封印した。 しかしその封印は完璧ではなく、長い時をかけて魔王の肉体に宿った魔人族によって、徐々に解かれつつあった。 そんな中、一人の少女が勇気を振り絞って、 魔法で封印を維持しつつ魔王を倒そうとしていたようだ。 そして今、 少女の力で抑えられているうちに、 この物語を読み終わったあなた達にお願いがある… 世界を救ってほしい - 第1話: 夢見る少年は絶望する - ンは、ある夢を見た後、ベッドの上から起き上がった。「…変な夢見たなー」 夢の中で少年が言っていたことを呟いた後に独り言ちてみたものの、それが聞こえたわけではないのに、母親の声が聞こえてくる。「どうしたのー?」 どうやら口に出ていたらしい。「いや、なんでもないよ母さん。ちょっとボーッとしてただけ」 そう返事をして少年は朝食を食べるためにリビングに向かう。(あの夢のこと気になるけど…まあいっか) そう思いながらも内心では気になって仕方がなかった。 少年の名前は「天宮蓮華(あまみやれんげ)」というらしい。黒髪に金色の瞳をした平凡な男子中学生である。学校に通う途中で電車内で居眠りをしていたところを見て駅員さんが駅に連れてきてくれたのだ。 制服に身を包んだ状態でベッドに横になっていたせいで少しシワがついてしまっているため、それを直していると母親が話しかけてきた。「蓮華はいつも急いだらダメなのよ!」「わかってるよー! でも遅れちゃうよりはましだと思うなぁ…」 そう言いながら少年は鏡の前に立ち自分の顔を見ながら言った。 すると突然、少年の目の前に黒い靄のようなものが現れ始めた。『……』「うわ!?」 それを見た瞬間思わず驚きながら声を上げた。その直後、母親の声が聞こえてきて、「もう、何をやってるのかしら!? 今日から高校生なんだからシャキッとしてなさいよね!!」 そう言ってきたので慌てて答えた。「わかったってば!」 母親の声を聞いた少年は苦笑いしながらもそう言った。 その後身支度を整えた少年は自室を出て階段を下りようとした途端だった。「……ん?」 不意に下から嫌な気配を感じたような気がしたので下を見てみるとそこは何もなかった。だが、確かにそこにいる。まるでこちらを見るようにしながら。 そのことを不思議に思った少年はその場で足を止めて考えることにしたのだが、いつまでも考えている場合ではなかったことに気付き急いで一階へ降りていった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!